|
■御社についてご説明ください
黒江:当社は、1986年に設立したわけですが、当時、米国の半導体は日本に紹介されていましたが、欧州の半導体は我が国では売れていない時期でした。私はその前に、仏国の半導体メーカーの日本支社で営業をしていましたが、ある理由で退職することにしました。退職の慰労会をしてもらっているとき仏国のCCDメーカーの人に偶然出会い、CCDの販売をするよう勧められました。そして、CCDだけでは商品が少ないので、仏国と米国の電子部品を含め海外3社の代理店として、当社をスタートしたわけです。 仏国のCCDは当時の日本ではまったく売れておらず、日本のマーケットにどのように売っていったらよいか、いろいろチャレンジしてみました。その中で、マシンビジョンのリニア・CCDを、大手のメーカーに採用してももらうことができ、それから、各社に採用してもらえるようになりました。 人と人の出会いはいろいろありますが、設立に当たっても、CCDの売れるきっかけにしろ、そのタイミングというものを感じさせられました。 また、海外のメーカーは、倍倍で売り上げを上げるように要求しますが、そのためには製品を増やし分野を広げること、日本でものを売るときは日本での支払条件と同じくする、など、日本ではどのようにしたら販売できるかということを、私の判断に任せてもらうことにしてスタートしています。 CCDが売れ始めたのに続いて、ほかの2社の電子部品も売れ出し、しばらく3本柱でやってきました。
■仏国のCCDが売れていったのはなぜでしょうか
黒江:CCDを売るにあたって、広告、展示会などでアピールしたところ、引き合い、問い合わせが3,000件くらいありました。それで、マーケットは必ずあると感じ、カタログをどんどん配ったところ、大手メーカーから連絡があり伺いました。そこでは、傷の検査のため日本製のCCDカメラを使っていたのですが、生産が中止になることと、スピードを上げたいことから、新しいCCDを探しているところでした。 当社が扱っている仏国のCCDは、スピードも速く、熱くならないものでしたので、採用されることになったわけです。日本製のCCDは安いのですが、当時はスピードが遅かったので、検査対象を遅く動かさなければならなかったのです。ところが、仏国のCCDは日本のものより10倍のスピードで対応ができました。 これは後日談として聞いたのですが、当時のCCD信号に見られたぎざぎざが、日本製は±10%でしたが、仏国製は±5%くらいでした。その大手メーカーは、日本製を使っていたときは、1,000個買いますとそれを全部測定し、800個は捨ててスペックのいい200個だけを使っていたということなのです。私はその様なことは知らず、当社扱いの製品は日本製の5倍近い価格でしたので絶対売れないと思っていました。仏国のCCDは衛星用に開発されたものが多く、精度がいいことが特徴だったのです。当社扱いのCCDは、1,000個買うと1,000個使うことができたわけです。その様なことから、採用されるようになりました。 日本は大手メーカーが1社使いますと、ほかが追従していきます。そういうこともあり、CCDはかなり売れました。 当時は、CCDは単体で売られており、ユーザーが使うときに周りの回路はユーザーが1年ほどかけて作る、というものでした。それで、当社ではCCDを組み込んだカメラを作ってしまい、その中身を公開しました。さらに仏国にそのカメラを持っていき、アプリケーションを示し、開発スピードを早くしました。それが成功の原因だったかもしれません。 また、海外と日本の間の問題は、海外のメーカーの人と日本のユーザーとを友達関係にすることにより、技術の意見交換など風通しがよくなるものです。そのため、当時は海外から多くの技術者を呼び日本のユーザーを訪問してもらったり、日本のユーザーに仏国にいってもらい直接工場を見ていただいたりしたのが成功したともいえると思います。
■CCDについてもう少しご説明ください
黒江:当社が扱っているCCDおよびCCDカメラは、仏e2vセミコンダクタ社のもので、同社は25年以上にわたりCCDの技術開発に取り組んできています。リニア・エリアCCDの広範囲な製品を持っており、波長としてはX線から可視領域までに感度があるタイプのものです。e2v(旧アトメルグルノーブル)は、カメラとデジタルイメージング製品の開発をユーザーのニーズに合わせて設計しています。専門的な用途として、メディカル、グラフィックアート、科学技術用などスペシャル製品もそろえています。 製品は、リニアアレイCCDでは、カラー、アンチプルーミング、ラグフリー・フォトダイオードなどの特別タイプもあります。エリアアレイCCDは、フレームトランスファー、フルフレームのタイプがあり、ピクセルサイズ、ピクセル数の大きなタイプです。ラインスキャンカメラは、超高速・高感度12ビットで、ユーザーフレンドリー・ソフトウエア付で販売しています。フルフレームカメラとして、デジタルカメラヘッド、デジタルPCIフレームグラバー、付属ソフトウエア、ケーブルがセットとなっているデジタルイメージングシステムがあります。
|

|

|
|
小型ラインセンサカメラ AVIVA SM2、M4シリーズ |
|

Socket Modem

Soket Modem I P
■ 仏語圏の商品にはほかにどのようなものがありますか
黒江:英語圏のメーカーは、だいたい大手商社が代理店を押さえています。当社も何社かありますが、それはほとんど紹介によるものです。仏語圏のメーカーの商社は昔からのところがあるだけで、当社は珍しい存在だと思います。私も年に10回ほど渡仏していますし、今は、仏国の半導体メーカーからの話は結構当社にきています。一般の商社は英語圏に強く、仏語巻に弱いのですが、当社は逆で仏語巻が強いのが特徴といえます。 英語圏の半導体を扱う人たちは、大きな会社で在庫を持てる力があるとか、英語のうまい人がいるとか、米国にしょっちゅう行き来している人の会社になってしまいます。それでは当社は勝てないので、仏語圏でがんばろうとしているわけです。ただし、仏語の商圏はそれほど大きいものではありません。 今、一番売れているのは宇宙用の半導体で、仏国のメーカーのほとんどを当社が扱っています。9月11日のテロ事件以来、米国政府はハイテクの半導体とくに宇宙防衛用を海外に出さなくしました。それに対し、仏国は日本に売ることができますので、仏国からの宇宙関用半導体が多く入ってくるようになりました。 日本は大量生産の方向に行っていますので、5個とか10個といった防衛用、宇宙用の半導体は作らないようになってしまいました。米国の輸出ライセンスが下りなくなったので日本は入手しにくくなり、今までの米国製と同じようなものが欧州にあればそれを使おうということになったわけです。仏国にはもともと米国の半導体のセカンドソースが多かったからです。仏国の戦闘機のマイクロプロセッサは、放射能に耐えるものを積んでいます。
■海外製品を売るポイントは何ですか
黒江:海外の人と日本人の感覚の違いが大きいので、そこをお互いに理解させるのも当社の仕事だと思っています。例えば、日本人が「はい、はい、」というのは、聞いていますくらいの感覚ですが、海外の人にとっては「はい」といえば自分の製品を使ってもらえると感じるわけです。そのようなギャップをなくすために、とりあえず技術の文書については、必ず日本語の訳を作って日本の人に理解してもらって、その上で製品を買っていただくようにしています。そういう意味で、当社は日本語化というものに力を入れています。 例えば海外のメーカーの人が日本にきてユーザーと話をするときに、メーカーの人が「これは不良品ではない」といったとき、私たちはそのまま日本の人に伝えることはしません。ユーザーがどのような使い方をしているか聞き、このように使った場合はどうだったかと聞きます。海外の人にとっては、良品か不良品かしかありませんが、そのような対応では日本国内では失敗します。海外のメーカーが日本にきて、直接自分で売ろうとして失敗するのがそこなのです。 私たちは、そのように海外メーカーと日本のユーザーの間に立ち、緩衝材となってユーザー重視の姿勢で営業しています。ユーザーが何を要求しているかを見て対応をすることが必要で、そこが一番難しいところだと思います。海外の人が言ったことを直接日本のユーザーにいわないということで、逆に、海外のメーカーの人には日本の社会にはあいまいさもあるから最初から結論付けないように話します。 結果として、売り上げが上がればいいのであり、海外メーカーの言いなりになれば結果として下がってしまうと思います。
■売り上げが伸びている理由はなんでしょうか
黒江:今、CCDカメラの売り上げが伸びていることが大きな要因となっています。それと宇宙用の部品があります。売り上げを伸ばすためには、新製品があれば伸びますが、新しい会社の製品を持つことも売り上げが伸びる要因になります。そういう会社が加わったということです。現在でも受注残だけでもずいぶんあり、売り上げは、2、3年落ちずにもっと伸びていきます。今年は19億円ですが、来年は23億円くらいになると思われます。 トラブルが起きたとき、それを解決するとそれは活きてきます。当社の場合は、不良品が入ってきたとき修理代を当社が持つようにするなど、細かいことに関してはできるだけの努力をするようにしています。そうすると、ユーザーの方から、ほかのものまで注文をいただくことがあります。 何か問題がおきているということを認識するのが我々の役目かな、と思います。問題点を聞いたときに、初めてユーザーの考えが分かるのだと思います。問題が出たときが一番動くことの決め手であり、そこで他社と違う方法で感動させることが大事です。 当社では、自社で開発したSFA(SALES FORCE AUTOMATION)ソフトウエア『AIOS』というのがあります。これには、ユーザーの情報、内合わせ内容、見積もりなどのデータが入っており、ユーザーからの問い合わせに対して担当者はじめ全従業員が対応できるようになっています。 少人数の当社がどうすれば多くのユーザーに満足していただけるかということを考え、その解決のために開発したものです。どのユーザーと誰がどんな話を進めているかということが一目瞭然なため、違う人でも問い合わせに対して話ができるわけです。 優れものではありますが、今は、自社で使うだけで販売の考えはありません。
■抱負をお聞かせください
黒江:結局当社は、日本と海外の架け橋になるような、インタフェースするような人を育てている会社だと思っています。そういう人がたくさんいませんと売り上げも上がりませんし、日本の国際化のためにも海外とのコミュニケーションを、仕事を通じてやっていって欲しいと思います。 今、会社には大学時代に勉強ができた人はそんなに必要ないと思っています。勉強ができる人ではなく、人の気持ちが分かる人、人の痛みが分かる人が当社に必要な人材だと思っています。そういう人材が多いところが、ユーザーから好かれる会社になっていくと思います。
本日はお忙しいところありがとうございました。
|