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■御社についてご説明ください
片岡社長:当社の設立は1973年3月で、電源機器メーカーと炭酸ガスメーカーの大阪営業所としての役割をもってスタートしました。当時の日本は交流安定化電源の生産基地として十分機能していましたから、工場向けに10kW、20kW大きなもので100kWの交流安定化電源を販売していました。その後、円高不況や工場が海外に移転していくに従い日本のものづくりも、組み立てから、デバイス化の方向へと、お客様から要求される電源の質の変化がありました。単なる安定化電源に変わって、UPSという無停電電源装置が主力になってきました。当社も主力をUPSに置き、当初は国内メーカーのものも扱っていましたが、国内メーカーの統合などで、当社の参入の余地はなかなかありませんでした。そんな中従来から取引のあった、交流安定化電源の台湾のメーカーから紹介されたUPS専業のODMの専業メーカーとの出会いが、飛躍のチャンスにつながりました。世界中に販売するための規格、UL規格、CEマーク、NENA、Immunity規格、Emission規格、などを取得したUPSが当社の強みです。日本から海外へ付随して使われる機器組み込みなどにも今後展開していく予定です。米国医療機器規格に適合した医療機器向けUPSの販売展開もしております。 UPSにおける当社の実績は、米国の航空機産業、軍需産業などに多く、重要度の高い負荷に対して高付加価値の製品として供給しています。国内においては、重工業を中心にした展開を考えており、実績としては、ゴミ焼却所用制御バックアップ、産業用データサーバのデータセンター用電源、航空機用400HzUPS電源、最大300kVAのものを含め、絶対に電源が落ちてはいけない高度信頼性の電源供給が必須の環境下を中心に納めています。 現在では、並列接続することにより、最大1000kVAまで供給できる体制が整いました。 交流安定化電源のときからそうでしたが、UPSにおいてもただ製品を売るというのではなく、電源のエンジニアリングとしてお客様にアドバイスをしてきました。電源が置かれている環境は千差万別で、その環境を綿密に調査して電源の品質を重視し、電源のコンサルティング行っていくというのが当社の特徴です。高度信頼性電源は設置される環境における影響を大きく受けます。当社は長年の経験から、これら環境に対して適合した電源の供給、または環境を電源に適合させていく電源設置環境からの提案をさせていただいております。当社が手掛ける高度信頼性電源は供給安定していて当たり前のものです。電源ノイズ、温度、湿度、埃、空気中に含まれる物質まで検討して、安定供給を達成します。もちろん、電源装置自身にも多多の工夫を施し、高効率、高精度も同時に達成しております。 UPS電源の事業の他に、最近手がけてきた事業にガラスモールドレンズ(GMO)の事業があります。GMOを製造するためには、大きく分けて金型プロセスと成型プロセスの二種類のプロセスがあります。成型プロセスと金型プロセスはGMOの生産性にとってとても関係が深く、それぞれを分離してとらえることはできません。成形方式と金型構造は生産コストの要になってきます。その研究のため、滋賀県工業技術総合センターに入り開発しています。滋賀県工業技術総合センターでは、高効率成形機の検証、実証と金型の耐久試験、保護膜の開発及び評価をしております。特殊な非球面加工機のメーカーと提携し、非球面加工時間の大幅短縮、精度向上、金型寿命の大幅増強などが工業センターでの開発テーマです。
■電源に係わる技術についてご紹介ください
片岡社長:まず、電源品質に関する現状を分析する能力があります。当社はその分析に基づいて問題を解決するソリューション能力があります。課題に対する回答を出して装置メーカーに制作を依頼するという形です。
片岡会長:具体的にいいますと、数千アンペアの電流が流れたときブレーカに放電現象が起こります。そういうことがなぜ起こり、どういう対策が解決につながるのかということを現場で解析するわけです。電源が乱れる主な原因は二つあり、一つは送電系統でもう一つは雷によるものです。電源の異常が外からの影響なのか中からの影響なのか、データを取り構内全体を調べます。この電源解析から処方箋を考えること、これは電源のドクターともいえますが、これが非常に難しくそこにノウハウがあります。構内における従来の配線系統では起こりえなかった問題が、多現象に複合的に起こってくる場合があります。特に多数の負荷が動くと、相乗作用でややこしい問題が起きてきます。当社は電源を納めるとき、負荷も調べリサーチを行い電源に異常が起こらないことを確認しています。 負荷が新しく切り替わるときは電源も見直していかなければいけないのですが、ほとんどのお客様は規準電源をおいていないのが現状です。電源を監視も、ほとんどが電圧でしか見ていません。電源に異常がいつ起こるかわからない状態であり、不良現象が起こる可能性があります。 メカトロニクス機器においても、メカニカルの技術者の方は電気を単純にとらえられていることが多いと感じます。NS制御盤もトラブルで数多く見て回りましたが、電気的なことは何も考えずに作られているものが多くありました。例えば、ある実装機が誤動作するということで調べましたが、一ラインでは問題ないのですが、ニライン三ラインと複数になるほどひどくなりますので、どこが原因か調査解析しました。その結果、当時は電磁クラッチを使用していたために、入れたり切ったりするたびにエネルギーがたまり、それが放出されるときスパイク状の1,500Vの電圧がアトランダムに出ることにより、コンピュータの誤動作が起こることが分かりました。電磁クラッチメーカーにデータを持っていき、話を聞きましたが、「カタログにノイズが発生しますと書いてあります」というだけで、対応策はありませんでした。もともと当社の仕事ではありませんでしたが、電源を供給する側にとって安定した電源の供給と、生産ラインを何とか復活させなければならないと思い、電圧を抑えるための実験をいろいろ行いました。その結果ツェナーダイオードを一個載せることにより、1,500Vの電圧が2Vに抑えられました。10年後その電磁クラッチメーカーのカタログには、私が行ったと同じ処方箋が書かれていましたが、何の連絡もありませんでした。 科学は医者の世界と違ってまだまだ単純です。問題解決の可能性があると思ったら、訳が分からなくてもチャレンジしてみるとどこかに解決の要素が見つかることがあります。当然、技術や研究も大切ですが、問題に対してチャレンジしていく中で電源は大きく変革されていっていると思います。
■低ノイズ医療用無停電電源装置(医療機器用UPS)についてお話ください
片岡社長:機器というのは0Vを規準にしていますが、ノイズなどの障害が多くなってくると電圧ラインが上昇してきて規準がずれてきます。ところが、病院などはそういうところを考えないで、インピーダンスの高い状態のアース線を使っていたりします。そのため、ノイズが多く発生したり、機器が誤動作してしまい、そのような状態から電源で状態を元に戻すことは、非常に面倒なことになってしまいます。日本は電気を供給する側は世界レベルから見ても安定的に供給し、品質は非常に高いものがありますが、使う側は品質に対する認識を持たず、レベルは非常に低いといわざるをえません。
片岡会長:私自身の経験ですが、画像診断を受けたとき肝臓がんと診断されました。結果的には誤診だったのですが、診断された先生は、がんに間違いないと言われました。しかし私は納得がいかずファイバーを動脈から入れて検査をしてもらった結果、何でもありませんでした。そういうことがきっかけで、医療設備が正しく機能した下で検査されているのかどうか、ということを考えるようになりました。そして、電源の品質を重視したUPSが必要だと思いました。医療機器用のUPSは非常に高価ですが、それを性能もよく、安価でノイズも低いものを提供しようと思ったわけです。 病院の電気配線は、いまだに昭和30年代の配線規定に基づいて配線されています。ご存知のように院内設備はどんどん進化して、正弦波形の電流でない負荷のものもあり、そのために電源が乱れてしまいます。元から改善しようとすれば、今の配線を3倍にすると線形はかなり改善できます。今の考えは許容電流という考え方で、線がもてばいいというものですが、この考え方ではだめなのです。 今のままでは電源装置で処方するしかありません。いままで病院関係で積み上げたノウハウから、病院の電源系をインフラで解決することは技術的には完成していますので、今後発表していきたいと思います。また、工場用の電源装置との違いは特にノイズに関することであり、医療器メーカーとタイアップして医療機器と電源の相性の問題などを検討していくことがこれからのテーマになると思います。
片岡社長:数年前に病院の電源関係がどうなっているのかを一年間ほど調査したことがあります。そのときに分かったのですが、日本のUPSメーカーは病院向けとか低ノイズのUPSを作っておらず、ノイズ規格に合ったUPSを作っているところもありませんでした。そこで当社でやっていくしかないと考え対応してきたわけですが、これもフィールドから出てきたものです。例えば、手術において電気メスからどのようなノイズが発生し、電源にどのような影響を与えているのかを、実際の手術室に入って調査を行いました。そのような調査の上でどのくらいのレベルのUPSが必要なのか見えてきました。 当社の医療用無停電電源装置は、インフラ設備や工場の電源フィールドでの多数の実績を基に、厳しい規格を収得しています。信頼保障値は、実に10万時間という高信頼性で、さらに低ノイズ、安全をキーワードにしています。
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医療用UPS 『MHCMシリーズ 2000VA、3000VA』 |
■先ほどお話にありましたガラスモールドレンズ成型についてお話ください
片岡社長:ガラスモールドレンズは携帯電話、ピックアップレンズ、デジタルスチールカメラなどに使われています。その生産プロセスを4年前から開発しています。 金型の保護膜、金型加工法、成形法を開発し自社の技術を作ろうと考えました。新しい成形プロセスを考え、金型素材から金型加工技術、成型機の方式、製膜技術の新しい方法を構築しました。レンズ生産コストは従来の2分の1ほどでできるようになります。電源の技術を活かし、今までにない成型の加熱・冷却方式を導入したことにより成型の時間が大幅に短くなりました。今までは金型の分解、組み立て、取り出しに時間がかかっていましたが、それを簡単で早くできる構造にしました。また、金型の長寿命化をするために表面成膜に挑み、実用化にこぎつけました。試作機の検証が終わるのが年内で、来年の6月ころには製品として世の中に出せると思っています。 この成形技術により、納期が短くなり、コスト低減できることのほかに、誰でもが生産できるようになります。また、環境にも配慮したため、電気代が通常の20分の1ほどに実現できます。
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非球面ガラスモールドレンズ |
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成型用金型 |
■今後の展開についてお話ください
片岡社長:電源のノウハウが大きいですから、電源の強みを生かした事業をやっていきたいと思っています。当社のロゴにもなっているパワーリンクスとは、パワーエレクトロニクスのほかに、技術の融合、人の融合をすることで新しい力ができることを表しています。ガラスモールドレンズの成形機も、電源の制御に重点を置くことによって今までにないコンパクトで省エネルギーのものができたわけです。 今後は我々の持っている経験とか力を自然エネルギーのほうにシフトして行きたいと思っています。金型の保護膜技術を活かし、一つは太陽電池に活かしていきたいと思います。
本日はお忙しい中有り難うございました
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