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メカトロニクス  第19回 企業レポート

あらゆる産業分野の自動化に貢献する
リーディングカンパニー

革新的な自動化装置と環境にやさしい空圧機器で省エネ・省人化を実現

 

CKD株式会社
バックライト製造ライン、薬品用自動包装システムなどでトップシェアをもつCKD株式会社。2007年1月、需要増に対応して生産設備の拡充と技術関連設備を刷新、さらに、先端技術を展示するショールームと教育を重視してセミナールームを新設。次々と創りだされる業界をリードする空気圧機器など、躍進するCKDを取材。

 

ショールーム

2007年6月号

 

■需要に応える生産体制

 

 CKDは、旺盛な需要に応えるため、愛知県小牧市にある本社工場内に液晶バックライト製造装置および医薬品包装装置の組み立てのための自動機部門の新工場を今年1月に完成。同春日井市にある春日井事業所のクリーンルーム新棟を同2月に完成。三重県四日市にある四日市事業所に第3工場および技術管理棟を同1月に完成した。自動機械第1工場には、CKD先端技術を紹介するショールームとセミナールームを開設し見学希望者を広く受け入れている。

 

■CKDの先端技術を知る

 

 CKDの先端技術を知るには、同社のショールームを訪れるのが一番だ。会社紹介ゾーンに続いて自動機ゾーン(三次元はんだ印刷検査機コーナー、液晶バックライトコーナー、包装機コーナー)、機器ゾーン(半導体対応最先端テクノロジーコーナー、FPD対応コーナー、新商品コーナー)と続く。開設以来、毎日大勢の見学客でにぎわっている。インターネットでも問合せができるのでhttp://www.CKD.co.jpに一度アクセスされたい。
 最近は情報通信が発達し、わざわざ展示会やメーカーのショールームにいかなくても、いつでも新しい情報を入手できるかのようにいわれる。しかしバーチャルと実際にものを見るのでは情報の価値が違う。同社のショールームには新製品を見る以外に、セミナールームを併設しているが、ここにも直接の対話を大切にする同社の姿勢がうかがえる。この新しいショールームでは「見る・知る・体験する」をコンセプトとして、最先端の技術を見ながら、実際に触れて使い方までも理解してもらうのを目的としている。
 商品教育は従来から各地区で行っていたが、ショールームの建設に合わせ、最新のソフトとハードをもちいて商品教育を行うためにセミナールームを併設した。セミナールームはユーザーや代理店への商品説明や基礎教育のほかに、技能検定へチャレンジする方への受講コースも用意している。このセミナーは、ユーザーに空気圧機器の正しい知識を身につけてもらうために「CKD空気圧システム 技術セミナー」という形で空気圧システムの入門からメンテナンス・資格習得までをきめ細かくサポートしている。

 
 

セミナールーム

 
 
 
 
■信頼性と安全性を重視したものづくり

 

 空気圧機器は、空気の流れをコントロールする空気圧バルブ、ワークを動かす空気圧シリンダ、これらの機器を安定して制御するために必要な空気圧フィルタや空気圧レギュレータ、さらには回路を構成する継手やチューブなどの補助機器類などからなっている。空気圧機器は、広範な産業界のニーズに対応した自動化システムに応用され、半導体製造機器にも多く採用されている。同社の空気圧機器は1956年より販売を行っており歴史がある。その中で最も大事にしていることは信頼性と安全性だ。
 同社の空気圧バルブの代表機種は4Gシリーズで、一般の産業機械に使用されるだけでなく、半導体の後工程などクリーンな環境にも対応できるのが利点だ。給気吸気ポートにフィルタを提供するなど、使用環境に応じたオプションが選べるのも特徴。また調整時の安全性にも配慮している。
 空気圧バルブはその使用期間中に何千万回という切り換え動作が行われるため、何よりも信頼性が求められる。4Gシリーズは、この要求に応え摺動部の構造、パッキンなどの改良を行い従来製品の2〜3倍の長寿命を達成した。個々の部品の性能、品質を徹底的に高め、業界トップレベルのクオリティを創りこむことに同社の真髄がある。
 昨今、空気圧バルブには大容量が求められている。その背景には、ワークの大型化がある。例えばフラットパネルディスプレイの大型化によって装置、シリンダも大型化し、エアが大量に消費されるようになった。同社は、これまでにも4G3シリーズという大流量バルブをラインアップしていたが、時代のニーズに応えるべくさらに大流量の4G4シリーズを開発したのである。このバルブは安全性、エコロジー、省エネを追求した信頼性の高い設計となっている
 また、日本の産業の中で自動車や工作機械も顕著な伸びを示している。同社の空気圧機器は、自動車や工作機械業界が非常に大きなユーザーである。ここでも、ユーザーと一緒に技術革新を進めてきた経緯がある。これらの業界は競争が厳しく、同社が納品する装置メーカーも常に厳しいコスト意識をもっており、いかに経済性の高い装置を作るか絶えず模索している。そういう取り組みの中で、たとえば、空気圧バルブの使用数量を100個から50個にすれば使用部品を大幅に抑えることができ、制御するシーケンサの負担も軽減する。回路もシンプルになり組付工数も軽減される。そこで大流量で一度に
多くのシリンダを制御できるバルブ、W4G4というシリーズが開発された。このシリーズの特徴は、製造ラインで発生するスパッタによる粉塵や冷却水などの飛散にも影響の無い耐塵・防噴流IP65という保護構造を持っていることだ。工作機械や自動車の加工組み立て工程で使われている空気圧バルブは一般的に切り換えをソレノイド(電磁石)で行っているが、バルブ数が増えると比例して配線が増える。この配線を減らしたいというニーズに応えてシリアル通信機能も提供している。様々なプロトコルにも対応しているので利便性は高い。

空圧バルブ(4GA4_4GB4シリーズ)

プラグインマニホールド(W4G4シリーズ)

フィルタレギュレータコンビネーション


 

■ユーザーの立場で高機能、環境対応の機器を

 
 空気圧システムにおいて、押す・引く・つかむなどの実際の仕事を行う機器はアクチュエータと呼ばれ装置の性能に直結する。その代表が空気圧シリンダだ。最近の傾向としては、シリンダ一つ一つの機能はもちろんのこと、省設計が要求され、設計工数を減らし、いかに手軽に設計でき、装置を素早く立ち上げられるかということが求められる。同社はこれらのニーズに応えた空気圧シリンダも数多くリリースしている。
 これまでユーザーがシリンダと精度または剛性を高めるためのガイドを別々に取り付けて組み合わせていたが、これを一体化させることで、ユーザーの設計・設置工数を軽減すとともに装置を高性能化できるようになった。リニアスライドシリンダLCG、LCMシリーズがこれにあたる。要求がより厳しいハードディスクの装置や、液晶テレビの工程、半導体でも使用できる。半導体で使用するシリンダは特に精度要求が厳しく、クリーン機能も要求される。クリーンルームで使われるシリンダは内部の摺動によって発生したパーティクルを排出しないような構造になっている。小型・高精度アクチュエータとしてのリニアスライドシリンダLCMシリーズは、走り平行度0.005mm、取り付け平行度0.03mmと高い精度を保有、位置決めに最適である。また、シリンダ本体・リニアガイド・スライドテーブルを一体化し、小型・コンパクトの極限を追及している。
 LCGシリーズは、リニアガイドのテーブル面をそのままスライドテーブルに採用し、従来製品に比べより高精度になっている。スライドテーブルの材質を従来製品のアルミ材から、ステンレスあるいは鋼に変更し、幅広ガイドとの組み合わせにより、さらに剛性がアップしている。ストッパの左右対称形、多面配管、2面取り付け、位置決め穴装備など、設計面の自由度も高くなっている。さらに、ガイドボールを4列に配置し、荷重方向を選ばないで安定した動作が得られるようになっている。ガイドボールの接触幅が2列配置のガイドと比較し小さいため、回転時に発生する摩擦抵抗も少なく、滑らかな動作でかつ、精度、剛性を高めている。

 

 

■空気圧関連の新商品の数々
 

 半導体の後工程などで、電子部品を基板に組み込む実装工程に使用されるチップは小型の電子部品であり、非常に精密でソフトな荷重制御が求められる。従来のエアシリンダでは数ミリグラムの微細な荷重制御など不可能であったが、圧縮空気でピストンロッドを中空に浮かせ摺動抵抗をゼロにするという発想によって可能になった。これがエアベアリングである。完全非接触による無発塵、無潤滑のエア駆動方式により、クリーン度を要求する環境に対応する。電空レギュレータを使用すれば、荷重の高精度なリニア制御も可能だ。
 最近では、携帯電話で使われるプリント基板のように、ユーザーの製品は極めて精密になってきている。プリント基板は、部品を組み付けるときは必ず基板を固定しなければならない。この際、基板を挟んで固定すると基板がゆがんでしまう。パッドで基板を吸着させて固定する方法もあるが、吸着力が大きくなると基板がくぼみ実装がうまくできなくなる欠点があった。同社は、吸着面をプレート状にしてこの問題を解決した。この精密吸着プレートはミクロン単位で平面度を作り出しているので平面を保ったまま固定することができる。素材にはテフロンの多孔質を使用し表面を高精度に切削加工している。これにより精密な部品組み付けもスムーズになる。これらの精密機器商品は半導体設備の伸びに合わせ売り上げを伸ばしている。
 同社が得意とする電子技術を応用した商品として小型流量コントローラ・ラピフローFCMシリーズがある。流量センサと小型電磁弁の技術を結集し、圧力変動による流量変化を自動的に補正し異常を知らせる機能を持つ。従来、熟練工が行っていた微妙な調整を自動化することを目的に開発された。適応流体は、空気、窒素、アルゴン、酸素、メタン、プロパンなどの各種ガスに対応し、さらに、水素、ヘリウムにも対応している。流量はデジタル値で表示され、サイズも70×70×30と小型・軽量化されている。
 デジタル圧力センサPPXシリーズは、圧力の「現在値」と「設定値」を同時に確認できるツイン表示や、3色指示、設定内コピー機能、3つの操作モードなど従来にない使いやすさと高機能が搭載されている。
 ファインバッファFBU2シリーズは、半導体製造分野などにおけるダメージレスハンドリングシステム実現のために商品化された。バッファ部に磁石の吸引力を利用した新しい緩衝ユニット。ソフトな接触と安定した押し圧により、対象ワークの損傷を解消し、液晶ガラス、半導体チップ、基板、CDやDVDなどの幅広い微小部品、壊れやすいワークのハンドリングに適している。
 また、環境への対応という面では 地球環境に悪影響を与える物質を排除した製品づくりがされており、新製品ではヨーロッパーの環境基準である「RoHS指」にも対応している。

 同社は、流量制御やクリーン対応、また環境対策・省エネルギーといった多彩なニーズを背景に、常に空気圧技術の先駆けとして市場ニーズを捉えた製品開発に挑戦しつづけている。人口減の社会で、いかに生産性を高めるかが日本の大きな課題となっているが、そのソリューションのひとつとして同社の持つ技術と商品に着目したい。

ガイド付シリンダ(STGシリーズ)

リニアスライドシリンダ(LCGシリーズ)

精密吸着プレート(PVPシリーズ)

エアベアリング(LBCシリーズ)

測量コントローラ(FCMシリーズ)

デジタル圧力センサ(PPXシリーズ)

磁気バネ式ファインバッファ(FBU2シリーズ)


 

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