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メカトロニクス  第15回 オリジナルインタビュー.

ユーザーの使い勝手を追求

 — カレンダータイマーの技術を施設園芸にも展開

 

スナオ電気株式会社
カレンダータイマーを開発して40年、工業製品としてのブランドを確立。施設園芸用の製品も手がけ地元に貢献、30〜40%の省エネを実現した温室ボイラーで全国展開を目指すスナオ電気株式会社 代表取締役 和泉 三雄 氏に、これまでの事業展開と今後の展開について話を聞く。

スナオ電気株式会社 代表取締役  和泉 三雄 氏


 

■御社についてお話ください


和泉:昭和39年(1964年)に私が計測器の部品を作る会社を作り、個人操業で約3年つづけてきました。昭和42年にスナオ電気株式会社を設立し今年で40周年になります。
 スナオというのはユニークな名前なので皆様から聞かれるのですが、製造業としてやっていくための会社の三つの大きな目標からとっています。一つがSURPASSING=優秀な製品を作る、二つ目がNATIONALITY=日本国民性を発揮、三つ目がORIGINALITY=独創性ある独自の製品開発です。
 工業用カレンダータイマーは、ユーザーから曜日選択のできるタイムスイッチが必要だという要望から開発したものです。カレンダータイマーというのも当社の登録商標であり、パテントも取っていました。しかし、世の中にはまだまだ知られておりませんでしたので、新聞や雑誌で告知し少しずつ知られるようになりました。設立当初は手作りで作っていましたが、知られるにつれ何十台もの注文をいただくようになり、量産化をするように入っていったわけです。世の中にカレンダー付きの腕時計や掛け時計が出てきたのは、それから数年後になります。
 カレンダータイマーは当社しか作っておりませんでしたので、当初に使っていただいたお客様からは今でも注文があることもあります。若い人たちはコンピュータが入ったターマーを求め、当社も作っていますが、汎用型は大手メーカーも作っていますのでコスト的にも大手メーカーのものが使われます。そういう中で、タイマーを使うならまた当社のものをといって選択していただけることはありがたいことだと思っています。
 主な用途としては、プラスチックの成形機、電気乾燥機、空調など、スイッチを入れてもすぐには使えないような装置です。1時間なり30分なりウオーミングアップをしておかないと、本来の働きをしないものに使われています。プラスチックの成形機では樹脂を早めに溶かしておき、従業員か来たときには作業に入れる体制にしておくとか、精密なものを作る機械で潤滑油を温めなじませておかないと精度が出ないので先にヒーティングしておくなどということへの用途です。
 昭和48年頃オイルショックがありまして、それまでの省力から、省力・省エネがいわれるようになりました。それを契機にタイムスイッチが非常に出るようになりました。街路灯を消すのも、銀座のネオンを消すのも、工場の蛍光灯を消すのも全部タイムスイッチで行われる時代になったわけです。
 最初はメカニカルのタイマーでしたが昭和52年にデジタル式タイマーを、昭和55年にはマイコン搭載のデジタルカレンダータイマーを開発していきました。しかし、曜日や時間が目で見て判るほうが良いというお客様も多く、エンドユーザーにもメカニカルの方が使い勝手がよいと求められる方がおられます。
当社が使いよさを追求して、タイマーを作ってきた結果ともいえると思います。
 メカニカルなものでも表だけでは分かりませんが、中身は改良を重ねております。モータでタイマーを回していたものをクォーツに変えて停電補償をつけたものも最初に開発しました。これもユーザーからの要望で開発したもので、大手メーカーは大量生産を得意としており慎重にならざるを得ませんが、小回りのきく当社だからできたのかもしれません。
 タイマーにマイコンが使われコストが安くなり、たとえば温水器のメーカーに相手方のブランド名で納品するOEM供給もするようになりました。量産をさらに進め、さらに色々な分野に用途を広げていったのもこの頃です。

■カレンダータイマーの独壇場でこられたのはなぜでしょうか

和泉:我々がユーザーの使い勝手を追求し掴んでいたからだと思います。大手メーカーは汎用製品を大量生産し、低コストで販売します。当社は少量でも必要があれば変更しますし、ユーザーに合わせたものを作ってきました。大手が作らないものを作っていくのが我々の活きていく道だと思っています。
 そのためには、自社開発は常にやっていなければならないと思っています。これは、タイマーに限ったものではないと思います。
 カレンダータイマーは7日間のうちの曜日選択ができるようになっています。土日を飛ばして月曜日にスイッチを入れるようにすることができるわけですが、メカニカルタイマーではその飛ばし具合に苦労しました。技術的には、メカニカルのものの方が精度を上げるのが難しいものです。そのメカニカルな難しい技術が当社のパテントですが、パテントが切れる頃にマイコン搭載のタイマーが出るようになってきました。現在ではメカニカルなタイマーを作っていたと
ころも撤退をしてきています。それは、使用条件が色々ありますので、工場で作ったときには正確に出ても現場では誤差が出るとか不良率が多いということが原因だと思います。
 自動化のラインの中で、たとえばはんだ槽のはんだが溶けなければラインが止まってしまい、メーカーにとっては減産になりますので、そういうところには本当に神経を使いました。特に初期の手作りの頃はばらつきもあり、気を使ったものです。
 我々は仕様を作って専門の設計者に依頼をすることが多いものですから、社内で苦労することは余りありませんでした。ただ、どういうものを作ったらユーザーにマッチするかという市場調査は色々とやりました。その中から、どのような新しいものを作るかという企画を考えることの苦労が多かったですね。あとは、少し動き始めると大手が参入という警戒感がありそれはいつも持っています。
 何か問題があったときにはどういう業種で使われたか聞き、対応をしてきていますので、個々の条件に対応できるノウハウが積み重ねられ小まわりがきくようになっています。カレンダータイマーといっても電気的ノイズがあるところ、振動があるところ、高温のところなど、使う環境によって対応しなければなりません。当然全てに対応できているわけでなく、中にはクレームで戻るということもあります。そういうものにも、また一つひとつ対応をしていくという、ニッチな市場を掴んでいかなければならないと思っています。
 
 

デジタルカレンダータイマー
 

DINレール協約タイプカレンダータイマー

2CHデジタルカレンダータイマー

クォーツ式アナログカレンダータイマー

クォーツ式アナログカレンダータイマー
 

■浜松で事業をされ始めたのはいつ頃ですか

 

和泉:設立は東京でしたが、昭和48年にここ静岡県浜松に移転しました。移転の要因の一つが山武商事が当社の製品を販売してくれることなり、当社は製造に専念することにして東京に営業所を残して、本社は私の出身地である浜松に来たわけです。現在は山武さんには代理店の一つとして販売していただいており、東京営業所は東京スナオ電気として独立させ商社として機能しています。
 

 

■カレンダータイマーの技術を応用発展させ、農業関係の製品を開発されていると伺いましたが、具体的にはどのようなものですか


和泉:タイマーの市場も我々が目標としていた業界には、標準品は今までに揃えてきた機種でほぼ品揃えができたと思っています。次の段階としては、そのタイマーを利用して他の分野に入っていくことを考えています。
 我々はオイルショックの頃から、静岡の施設園芸に使われるボイラーの低燃費をテーマに研究・開発に着手し、また、温度制御機能つきの農業用制御機器にも着手、オリジナル回転フレーム方式ボイラーの発売もしてきました。
 昨年は、施設園芸用の省エネ回転フレーム式農業施設向けボイラーを開発しました。これは、静岡の地域のビジネス・コンテストに出したところ優秀賞をいただき、これをベースに地元の静岡ばかりではなく全国規模で展開していこうと思っています。
 この省エネボイラーは灯油を使い完全燃焼させ熱気を温室に送るものです。温風はダンパー操作により一部煙突を通し外に出すこともできますが、できるだけ外に出さないで効率よく使うように考えています。従来に比べ、30〜40%省エネになるようになっています。
 当社の従来の回転フレーム方式ボイラーと比較した特徴として、回転フレーム燃焼に加え二次燃焼の効果により、従来に対し30%の燃料費を削減できます。従来はA重油が主でしたが、灯油を用いさらに完全燃焼させるため大気を汚さず、地球に優しくなっています。温風式を採用し、導入コスト、メンテナンスコストが安価であるとともに温水式からの切り替えが容易であることなどが上げられます。
 先ほどもいいましたが、このボイラーは全国展開を考えており新聞雑誌などを使い、広く知っていただくようにもっていきたいと思っています。
 

 

 

■今後の展開についてお話ください


和泉:タイマーに関しては従来からの自然増収があれば良しと考えています。営業戦略とかPR戦略も従来どうりでの流れでいく考えです。
 ボイラーに関しては、今年の春まで実証テストをしまして、その結果を持って夏場に営業戦略を展開し、今年の秋から販売を開始していこうと思っています。ただし市場というものは、どんなに良くて新しいものが出たとしても一気に広がるものではありませんから、どうしても年数が必要だと思います。今まで40年やってきた経験からも、そんなに急がずに、お客様のコミュニケーションを大事にしながらやっていこうと思っています。
 また、農業施設の装置を通して農家の方と知り合い、当社の製品を買っていただいておりますが、地域の発展を考えたとき逆に我々が購入することも考えなければならないと思います。購入する手段として、農作物をコンセプトした浜松発の新ブランド、「しずおか美人」という商標を当社が収得しました。独自の基準に基づき、野菜・果実・花などの作物にどう商法を採用し、本ブランドによる新規事業の立ち上げを図っています。この事業化により新しい事業部を設立し、専門特化した事業体を立ち上げる予定です。

省エネ回転フレーム式農業施設向けボイラー

 

本日はお忙しい中ありがとうございました。
2007年3月号掲載

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