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メカトロニクス  第9回 オリジナルインタビュー

新しい技術にチャレンジする

— タイムリーに必要とされる製品を開発 —

 

菱栄エンジニアリング株式会社

ものづくりの試作/開発段階からユーザーとともにプロジェクトを組み、生産技術の最先端分野で様々な提案を行う 株式会社エイエムディ自動機。独自製品の生産において重要とされる生産システムのあり方と同社の今後の展開について、代表取締役 井本 一男 氏にお話しを伺った。
菱栄エンジニアリング株式会社
代表取締役 杉山 正昭 氏
ユーザーが満足する製品をいかに理想的に仕上げるかを徹底して追求してきた菱栄エンジニアリング株式会社。同社のもつ優れた技術力と製品ラインアップ、また今後の展望について、代表取締役 杉山 正昭 氏にお話しを伺った。

■御社の概要からお聞かせ下さい

杉山:設立は1973年2月で、設立当初より自動化機器の設計から製造、メンテナンスまで、一貫した体制で独創性にあふれた製品を取り扱っています。
 1990年に愛知県田原市に田原工場を新設し、2年後の1992年に工機工場を本社隣接地(愛知県豊田市)に新設しました。2000年には本社に電子実験室を新設し、2003年にハイアクトトルカー工場を名古屋市天白区に新設しました。
 昨年(2005年)は製造工場を本社隣接地に増設するとともに、ハイアクトトルカー工場を本社工場に移転、トルカー部として発足し、ISO14001も取得しました。
 今年は、福岡県京都郡苅田町地内に工場内地を取得し、来年の開業に向け準備を進めています。 当社の技術としては、自動車産業を中心とした機械部門/電子部門/材料検査部門/環境部門の4部門に分かれ、各部門それぞれにコア技術をもっており、事業展開はこの4つに油圧アクチュエーター事業を加えた5つの体制になっています。
また,当社で扱っている製品はパテント製品が多く、全体の約6割を占めています。

■各部門の事業内容と製品についてお聞かせいただけますか

杉山:機械部門は設立当初より事業を行っている部門で、専用機としては、プレス機、搬送機、測定システムなど、汎用機では、NCバリ取機、高速エアーハンマ、油圧ロータリーアクチェータ、高速棒材切断機など、当社独自のユニークな開発製品を手がけています。
 その中でも、当社独自の「ダイキャスト金型用冷却噴霧装置」は最適なノズル配置と噴射技術により最小の水と離型剤で最大効果を発揮し、業界の標準機となりつつある製品です。
 また、自動車エンジンのシリンダーヘッドを冷却する水穴の閉寒を計測する方法や超音波による計測なども独自に開発しています。
 電子部門は、次世代技術をじっくり開発するためのチームを有しており、人の感応検査の自動化やこれまで手段のなかった分野の測定システム開発や販売を行っています。
 製品検査装置、レーザやカメラを用いた寸法/形状測定および判定装置、赤外/紫外線応用計測システム、そしてソフトウエアの開発/販売など、他社からの共同開発といった依頼も多い状況です。

■電子部門で力を入れている研究があるとお聞きしましたが

杉山:現在、レーザによる多光束光の発生(写真1)についての研究を進めています。
これは、一つのレーザ光から超高精度な多光束の光を発生させるもので、レーザ波長のナノ倍の間隔で正確に複数本のレーザラインを投光します。構造が非常にシンプルにでき、形状測定などにおける高速測定の光源といった用途に利用できる可能性をもっています。
 この研究は筑波研究所と共同で進めているもので、当社の技術者を派遣したり研究所の方がこちらに来たりして、学会などにも発表してもらっています。
 材料検査部門は、先端機器を駆使したエンジン/足回り部品の各材料内部引張、応力検査、欠陥検査、材料内部ガス量分析検査を主業務として、製造元
の品質向上において極めて重要な部分となっています。
 検査する材料を当社に持ち込んでもらい、高精度/低コスト/短納期で行うことがメリットとなっており、多くのユーザから頼りにされている状況です。
 環境部門は、池沼の閉鎖水域における水質浄化用大水流発生循環システムそして鋳物工場の粉塵を土壌改良材として活用し、雨水利用システム構築の設計施工とあらゆる環境にチャレンジしています。
 事業部としてはこれから伸びていく部門で、環境との共生をテーマにテクノロジー開発にも全力を注ぎ、自然との共生/環境との調和/地域社会との共存に努力を続けています。
 油圧アクチュエーター事業は「トルカー」の開発/販売(写真2)が中心で、一昨年、M&Aにより「トルカー」の販売権を得たことで発足した事業部です。
 「トルカー」は製品自体にも魅力はありましたが、それに加えて販売ルートに対しても魅力を感じていました。その販売ルートに当社の他の製品も販売していくことにより、売り上げもさらに伸ばすことができました。

■「トルカー」とはどのような製品なのですか

杉山:油圧を直接、揺動運動に変換する、高効率/高精度/低騒音でコンパクトな油圧アクチュエータです。
 特徴としては、@シンプルな機構により、摩擦や故障の原因が少なく、保守が容易である、A総合エネルギー効率が高く、高精度が可能である、B装置がコンパクトで低騒音を実現、Cクッション機能を装備している、などがあります。
 各種機械のローディング/アンローディング/ツール交換をはじめ、パイプベンダ/コンベアライン/バルブやダンパの開閉などの設備機械からロボットまで、自動化/省力化に向けて広範囲に使用されています。
 またバージョンアップとして、油圧で鉄シャフトの切断を行うことにより、切断面をきれいに仕上げることができるような製品ラインアップも用意しています。

■先程、研究機関との共同開発のお話しがありましたが、研究機関や大学との連携は多いのですか


杉山:各事業部ともそれぞれに行っています。特に東海地区といった近郊の大学とはかなり行っています。
 筑波研究所との出会いは、私が東京の展示会に出向いた時に同機関のブースに立ち寄り当社が抱えている問題を相談したところ、担当の先生が当社に話を聞きにきていただけることになったのがきっかけでお付き合いさせてもらっています。

■御社の今後の展開についてお聞かせ下さい


杉山:ものづくりをめぐる情勢は急速に変化しており、今までのようにある設計でひとつの製品だけをつくっているようではなかなか売り上げも伸びていくことができず、企業としても伸びていけません。 専用機は価格設定が非常に難しく、ひとつ間違えれば赤字経営が続いてしまうため、専用機部門だけで売り上げを伸ばすというのは小規模で経営している企業以外ほとんどないように思います。 これからは数量の出る製品に多少でも指向していかなくてはいけないと考えています。 そのほかに油圧アクチュエーター部門での製品ラインアップを増やしていきたいとも思っています。 そのひとつとして、油圧ユニットをつくってシリンダーを動かすというのは一般的になっているのですが、これを油圧タンクレスで行えるようにするシステムを検討しています。 この分野は、今後需要が伸びると予想していますので、当社としても力を入れていきますし、この取り組みは当社だけではなく、国内外の油圧ポンプメーカとのタイアップも視野に入れて進めていきたいと考えています。 今後も今まで同様、各部門においてタイムリーに必要とされる製品を開発するために新しい技術にチャレンジしながら、なおかつ量産体制がとれるような事業展開を目指していきます。 本日はお忙しい中ありがとうございました

■本日はお忙しい中ありがとうございました

2006年9月号掲載

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