既存の通信方式で従来比3倍の高速化を実現する高速通信インタフェースの基本回路技術を開発
~毎秒16ギガビットのデータ伝送を実証~
日本電気株式会社
NECエレクトロニクス株式会社
日本電気株式会社とNECエレクトロニクスはこのたび、USB3.0やPCI Expressなど毎秒5ギガビットの現行のチップ間通信インタフェースの速度を、既存の通信方式で従来比3倍に高速化する通信インタフェースの基本回路技術を開発し、その基本動作を実証した。
近年、ハイビジョンや3Dの動画コンテンツの登場など、個人が扱うデータ量は増大の一途にあり、機器内・機器間通信の高速化が益々求められている。USB3.0やPCI Expressの次世代となる毎秒10ギガビットを超える高速通信を実現するためには、データ波形の大きな歪みに対応するため、これまで多値伝送(※1)などの複雑な通信方式の活用が検討されてきた。
しかし、これら複雑な通信方式は、現行の通信技術との互換性を保つことができないため実用化を困難にしていた。
このたび開発した技術は、データ通信速度が高速化した際に生じるデータ波形の歪みを、現在多くの通信規格で利用されている2値伝送方式(※2)のまま補正する技術。これにより、1または0のデジタルデータを正しく高速に受信し、従来の約3倍の毎秒16ギガビットの通信速度を実現する。この技術により、次世代通信速度と現行通信速度を一つのインタフェースチップで対応することが可能となり、低面積・低消費電力・低コストでシンプルなチップ間通信インタフェースが実現できる。
フィードフォワード型データ波形歪み補正技術を、従来のフィードバック型データ波形歪み補正技術に融合し高速化従来のフィードバック型データ波形歪み補正は、直前に受信したデジタルデータを受信中のデータ波形に戻すこと(フィードバック)でデータ波形歪みの補正を行っていた。
また、データ通信速度が高速化すると、直前に受信したデジタルデータを受信中のデータ波形に戻すために使ってよい時間(以下、フィードバック許容時間)が短くなり、このフィードバック型データ波形歪み補正の実現を困難にしていた。
このたび開発した技術は、入力信号であるデータ波形を1ビット期間遅延させてそれを今のデータ波形に反映(フィードフォワード)する動作を、従来のフィードバック型データ波形歪み補正に融合することで、先のフィードバック許容時間を2倍以上長くすることを可能とする。
※1 多値伝送:データを0や1以上の複数の値に分割し送受信する方式。
※2 2値伝送:伝送シンボル毎に0か1の1ビットのデータ情報を伝送する振幅変調方式。