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2010年1月 5日 (火)

デジタル・オシロスコープ「WavePro760Zi、WavePro700Ziシリーズ 6GHz」

レクロイ・ジャパン株式会社

■はじめに
 信号が高速化、複雑化するにつれてシステムの評価、デバッグに求められる機能はより高度なものが求められている。こうした要望に応え、レクロイは元々得意とする解析とデバッグに最適化したWavePro700Ziシリーズを開発した。シリーズは、1.5GHz~6GHzの帯域を5機種でカバーし、最高40GS/sの高速サンプリングと、最長256Mワードのロングメモリをもち、従来のレクロイの解析ツール全てを利用できる高い基本性能を誇るデジタル・オシロスコープである。

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WavePro760Zi、
4ch、6GHz、40GS/s、256Mワード

■デバッグ/解析に最適化された設計

 一般的にデバッグ機能の強化対応策としてより長いメモリを使った信号捕捉が求められるが、メモリが長くなるにつれて演算速度、応答速度が長くなるという弊害が生じる。本来、設定を変えながらインタラクティブに操作することが求められるオシロスコープでは、実用性が損なわれることとなり、ロングメモリの使用条件を制限することになっていた。レクロイのWavePro700Ziシリーズは、INTELのCore2 QuadプロセッサとWindows Vista 64ビット・オペレーティング・システムを有効に活用する独自のXStream II超高速ストリーミング・アーキテクチャを利用することで、ロングメモリ使用時にも演算速度、応答速度の低下を最低限に抑えている。これにより、ストレスなくインタラクティブな使用感が得られ、高度な機能を自在に使うことを可能としている。

■異常現象を素早く捕らえるTriggerScan

 デバッグで一般的な手順は、異常現象の認識、異常現象の分離、異常現象の分析、異常原因の特定の順で行われる。一般的に高速画面更新機能が異常現象の認識に有効とされており、更新速度の速さが鍵とされる。しかしながら、市場で最高クラスのものは、100,000波形/秒の速度を誇るが、これを周波数に直すと100KHzに過ぎない。200MHzのクロックを対象にした場合には、2,000分の1の頻度でしか信号を取り込むことができない。たとえば、1秒に1度起きる不良を発見するには、確率的には2,000秒、33分必要と計算ができる。一方、ハードウェア・トリガは、対象の信号が発生すれば確実にその信号を取り込むことができる。しかしながら、設定した対象の信号以外を取り込むことができないという大きな欠点もある。TriggerScanは、予め複数のトリガ条件を登録しておきこれを自動的に切り替えて不良信号を捕らえようとすることで、ハードウェア・トリガのリアルタイム性と、対象となる異常現象の範囲を広げるものである。特に、レクロイの設定した範囲外の信号を対象とするエクスクルージョン技術と組み合わせるとより効果的に働く。たとえば、グリッチ・トリガ、ラント・トリガ、インターバル・トリガ、ウインドウ・トリガのように4種類のトリガを組み合わせて置き、各トリガを1秒毎に切り替えて計測すれば、4秒間で異常現象を捉えることができるため、高速画面更新と比較して素早く異常現象を認識することができる(図1)。

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図1.TriggerScanで捕らえた異常波形

 また、画面更新機能では画像としてしか異常現象を認識できないのに比較して、TriggerScanでは捕捉した信号は波形データとして保存されるため、すぐに異常現象の分析に移ることができる。あるいは、画面更新機能では異常現象を認識を人が視認することで行うため、波形がはっきり見える時間軸でしか機能せず、ロングメモリを十分に利用することができない。TriggerScanでは、異常現象の認識はトリガ・ハードウェアで行うため、長い時間軸でも機能し、異常現象の分析の際に前後関係から異常原因の特定に役立つ多くの情報が得られる。

■ロングメモリ波形から異常波形を検索するWaveScan

 また、強化されたWaveScan機能は、ロングメモリで捕捉した信号波形から異常波形を素早く見つけることができるだけでなく、発見した異常波形を全てリストアップすることができる。フロント・パネルのWaveScan専用のつまみを回すと、リストアップされた異常波形を素早くスクロールすることができ作業効率が高い。また、検索条件としてグリッチやラント以外にも多くのパラメータを利用することが可能であるが、2波形の間のスキューなども利用できるので、ロジックのタイミング異常も検索しやすくなっている。

■幅広い信号に対応する柔軟性

 組み込みコントローラなどでは、高速のシリアル・インタフェースから低速の制御信号やコントローラのデジタル・ライン、低速のシリアル・バスなど多様な信号が混在する。WavePro760Ziは、6GHzの帯域までをカバーする50Ω入力をもち、高速信号の計測に対応しながら、1MΩの入力も標準で装備しているのでアダプタを利用することなく、そのまま10:1のパッシブ・プローブを利用することができるので簡単に多様な信号に対応することができる。また、電流プローブや高圧プローブ、高速差動プローブなど幅広いレクロイのプローブ群を活用でき、ほとんどの信号の測定ができる柔軟性をもっている。また、MS250/500ミックスド・シグナル・オプションに対応しており、接続するだけで、このクラスとしては唯一のミックスド・シグナル・ソリューションとして利用できる。MS250/500は最高36本のデジタル・チャンネル、最高2GS/sのサンプリング速度、最長50Mポントのメモリを備えており、32ビットのコントローラにまで利用ができる。

■優れたユーザー・インタフェース

 デバッグを効率的に行うには、複数の情報を一度に表示することが必要となる。WavePro700Ziシリーズでは、業界最大のタッチスクリーン付き15.3インチWXGA(1280×780)の大画面液晶表示を持っている。これは最高8グリッドまで分割して表示できるレクロイ独自のマルチグリッド機能と相まって、信号波形、演算波形、メモリ波形を含めて最大8波形までを見やすく表示しながら、最大8つのパルスパラメータを統計値を含めて表示することが可能になる。こうした大画面をもちながら、355mm(高さ)×467mm(幅)×289mm(奥行き)という新しいフォームファクターで、当社比60%の設置面積で済む省スペース設計でもある。また、取り外し可能なフロント・パネル(図2)はUSB接続できるため、本体から離れた被測定装置の間近で操作ができるため作業効率が向上する。またラック・マウントで使用する場合にも便利な機能である。さらに、ビルトオン可能なタッチスクリーン付きの専用外部ディスプレイも用意されている。

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図2.リムーバブル・フロント・パネル

■アプリケーション別解析専用対応

 WavePro700Ziシリーズをベースとしたシリアル・データ・アナライザSDA700Ziシリーズとディスク・ドライブ・アナライザDDA700Ziというふたつのアナライザが用意されている。SDA700Ziシリーズは、好評のシリアル・データ解析パッケージが搭載されているが、今回新たに、コネクタ・デエンベデッド機能が追加されている。この機能は、接続されたコネクタによる信号の劣化を補正し、真の信号の評価を可能としている。また最高3.125Gbpsで80ビットまでのシリアル・パターン・トリガ機能が標準で搭載されており(2.5GHzと3.5GHzの機種では最高1.25Gbps)、特定のパターンでトリガを掛けることができる。ディスク・ドライブ・アナライザは、ハード・ディスクのヘッド信号解析パッケージとシリアル・データ解析パッケージの両方が搭載されている。

WavePro700Ziシリーズの主な仕様
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エレクトロニクス電子計測技術2008年8月号掲載

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