【試験機の絵本】イラストで見る試験機ー第1回 ねじり試験機ー
■2010年自動車業界へのエール
自動車産業は日本の中心とも言えるが、今こそ長い技術の蓄積を生かしエネルギー革命を乗り越えて安全で経済的な車を世に送り出す時期だと思う。試験機を納入し、自動車産業の諸氏とともに仕事をすることの多かった者として、ゆるがない信頼に基づいてその成功を祈っている。
図1(クリックで拡大)
この材料試験機は鋼板溶接構造の重量約2tのねじり試験機で、コンクリートフロアに基礎ボルトで設置されている。目的はトルク検定で、試料は加工された自動車の脚まわりと呼ばれる部材である。
図2(クリックで拡大)
本機を説明するイラスト。
従来はプロペラシャフトやディファレンシャルが試験対象であったが、省略して通常のパイプを取り付けた。左右に300mmのTスロット付きの円板があり治具を用いて円筒部を固定する。右の駆動部は固定取り付けで左の計測系はスライドねじ送りで間隔調節ができる。
図3(クリックで拡大)
機械式トルク計測部(旧形)の例。
レバーと錘とによる機械式のトルク計測部は試料軸と直行しており、電気式の場合にも応用されている。
図4(クリックで拡大)
芯出し作業。
このように試料のパイプが貫通している場合は、右サイドの減速機の軸端に投光器からの光を入れ左側の受光器で受けて芯出し作業ができるが、上からの可視光線を見るのは分かりにくいため鏡でいったん受けて、スポットで確認することになった。本機の回転速度は時計の秒針程度であるが、機械の保護のため網をかけることにした。
図5(クリックで拡大)
代表的な試料の例。
中央部にひずみゲージを貼った感度部があり、左右に長い軸をもったトルクセルのイメージである。この全体を試験体として検定してそのまま実車に取り付けることになるが、両端固定の一方向ねじりのため目的が制限される。
図6(クリックで拡大)
他の例としては、中間にスペーサーが入って分解できるものや、ねじの部分が伸縮できるものなど色々ある。この場合は中間に感度部としてひずみゲージを貼りトルクセルを形成し、リード線は軸端に引き出し、スリップリングを介して外のケーブルと接続する。
図8(クリックで拡大)
パネルの一部を取り変えると他の機械にも供用できる標準形の計測制御盤。
本機の場合、データはねじり角に対するトルクN・m(ニュートンメータ)、またはkg・mであるが、ひずみゲージを使った計測では通常4素子の回路網が組んであり、セルとしての出力をmV/Vと表現しており、専用の高感度アンプを用いている。機械本体と制御盤との組み合わせで3kN・mねじり試験機となる。
図9(クリックで拡大)
記録の例で、一方向ねじりによりスタートから切断に至るまでの経過を自動記録したもの。
ひずみゲージには独特な単位「μ-strain」を用いることがあり、専用の高感度アンプにも較正用信号出力としてこの電圧を出している。
図10(クリックで拡大)
機械的な検力としては、レバーの錘を徐々に増しながら計測のアンプ側の較正電圧を合わせる。これは機械を正とした検定方法であるが、日常的にはあまり用いない。
著者:飯野 純夫
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