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2009年12月11日 (金)

オシロスコープの基礎知識

株式会社カスタム

1.オシロスコープとは

 オシロスコープは1940年代後半、米国テクトロニクス社が初めて製品化したもので、時間の経過とともに変化する電気信号(交流)の様子をブラウン管やLCD画面に描かせ、目では見えない波形を観測する測定器である。また、電気以外の物理量(振動、応力、速度、音声など)についても、電気に変換することが可能ならば電気量と同様、観測することができる。 
 オシロスコープは回路構成、動作原理によってアナログ型とデジタル型に分けられ、それぞれの特徴を活かしてエレクトロニクス産業を初め、鉄道や自動車、航空宇宙、理化学など幅広い分野で活用されている最も汎用性の高い計測機器の一つである。

2.種類と特徴

1)アナログ・オシロスコープ
*電気信号を直接ブラウン管上に描写させるもので、波形のリアルタイム性が高い。
*回路構成が簡素で全体的に価格が安い。
2)デジタル・オシロスコープ(デジタル・ストレージ・オシロスコープともいう)
*入力信号を一旦AD変換し、波形をデジタルデータとして記録、再生するもので、アナログタイプに比べ、より高周波、広帯域の信号や単発信号の捕捉も可能。
*データがデジタル化されているため、観測結果の解析や保存が容易で、パソコンとの親和性が高い。

3.各種波形の観測事例

 図1、図2にオシロスコープで観測される代表的な波形を示す。

Osiro2
図1:観測事例

Osiro3
図2:観測事例

 図1は2チャネルのオシロスコープを使用して、正弦波(上段)とノコギリ波(下段)を観測している事例で、表示画面は縦(垂直)軸が信号入力、横(水平)軸が時間を表している。
 図2はリサジュー図形と呼ばれるアナログ・オシロスコープの代表的な応用例で、垂直軸と水平軸に同時に交流信号を加え、その合成図形の形や動く速度から入力信号の周波数や位相の変化を判別するものである。本図は垂直軸に2kHz、水平軸に1kHzの正弦波を加えた実測結果で、アナログタイプのリアルタイム性を生かした典型的な方法として古くから行われている観測法である。

4.操作パネルの名称と機能(主要部分)

 オシロスコープはツマミやボタンが多くあり、一見複雑そうに見えるが、以下に述べるオシロスコープ特有の機能と、主要部分の操作さえ理解すれば比較的簡単に使用することができる。

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図3:代表的オシロスコープ

1)スイープ(掃引):
 オシロスコープの水平(時間)軸は鋸歯状波を生成する電子回路によって繰り返し掃引され、あたかも一つの現象が静止しているかのように観測面に描き出すもので、画面の左端からはじまり、右端で終るということを繰り返す。これをスイープ(SWEEP)といい、その時間をスイープ時間と呼ぶ。通常「AUTO」で使用する。
2)トリガー(引金):
 スイープの開始時間を制御し、静止波形として描き出す機能。内部にトリガー・パルスの発生回路を備え、波形が静止しない場合にはトリガーレベルを調整し、スイープ開始時間を最適値に設定することができる。

5.プローブについて

 一般的にオシロスコープ本体にはプローブと呼ばれる入力コードが付属されている。中には異なる倍率抵抗(×1、×10)が内蔵されているものもあるので、ほとんどの場合このプローブで測定可能である。用途によって、電流信号を直接入力したり、高電圧やノイズの重畳した信号を測定する場合には専用のプローブが必要となる。
 表1は現在市販されているプローブの種類と用途をまとめたものであるが、実際の使用にあたってはオシロスコープ本体との親和性を十分考えて選定しなければならない。

表1:オシロスコープ プローブ一覧
Osiro5

6.おわりに
 オシロスコープは国内・外の多くの計測器メーカから多種多様な機種が市販されており、専門書も多数発行されている。より詳細な情報が必要な方は一読されることをお勧めする。

エレクトロニクス電子計測技術2008年8月号掲載

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