スパコン開発の三浦 謙一氏が「シーモア・クレイ賞」を受賞
~スーパーコンピュータへの開発貢献が評価され、日本人で2人目~
株式会社富士通研究所
株式会社富士通研究所 フェロー、国立情報学研究所リサーチグリッド研究開発センター長 三浦 謙一が、IEEE(米国電気電子学会)の「シーモア・クレイ賞(Seymour Cray Computer Engineering Award)」を受賞した。
「シーモア・クレイ賞」は、高性能コンピュータシステムに対する革新的な貢献を行った個人に贈られる賞で、IEEE Computer Society(注1)において最も栄誉ある賞の一つである。
今回、三浦 謙一のベクトル型スーパーコンピュータのハードウェア、ソフトウェアの基礎開発におけるリーダーシップが評価され、日本人として2人目の受賞となった。
富士通株式会社は、三浦 謙一が築いたスーパーコンピュータの開発技術をさらに発展させ、今後も「次世代スーパーコンピュータ」を始めとする、世界トップレベルのスーパーコンピュータを開発・提供していく。
三浦 謙一 および 受賞理由について
三浦 謙一は、1973年 富士通に入社以来、同社ベクトル型スーパーコンピュータ「VPシリーズ」を始めとしたスーパーコンピュータのハードウェア、ソフトウェアの開発に携わり、ベクトル化コンパイラ(注2)がハードウェア機構をどのように効果的に利用できるかを示すなど、富士通のスーパーコンピュータの設計に大きく貢献した。また、数値計算アルゴリズムやアプリケーションに対する造詣が深く、実際の科学技術計算用アプリケーションを高速に実行するためのシステム設計に貢献した。
2003年から2008年までは、富士通で培ったスーパーコンピューティングの技術をベースに、国立情報学研究所にて日本発のグリッドミドルウェアを開発する「超高速コンピュータ網形成プロジェクト(National Research Grid Initiative)」のプロジェクトリーダーを務め、現在はその普及に尽力いる。
今回の受賞理由は以下の通り、ベクトル型スーパーコンピュータの基礎開発への貢献が評価されたものである。
“For leadership in developing groundbreaking vector supercomputing hardware and software.”
シーモア・クレイ賞について
シーモア・クレイ賞は、スーパーコンピュータ開発のパイオニアであるシーモア・クレイ氏の名を冠しており、高性能コンピュータシステムに対する革新的な貢献を行い、シーモア・クレイ氏の創造的精神を最も体現した個人に贈られる賞です。IEEE Computer Societyにおいて最も栄誉ある賞の一つである。
日本人の本賞受賞は、現在当社が参画している「次世代スーパーコンピュータプロジェクト」の開発主体である理化学研究所次世代スーパーコンピュータ開発実施本部プロジェクトリーダー 渡辺 貞氏に続き2人目となります。
三浦 謙一 のコメント
「権威のあるシーモア・クレイ賞を受賞できたことは、大変驚くとともにとても喜んでいます。この度の受賞は、富士通のこれまでのスーパーコンピュータ開発の成果に対するものであり、開発に携わったエンジニアを代表して私がいただいたものと受け止めております。1968年に米国イリノイ大学の計算機学科で並列計算機の研究を始めて以来、スーパーコンピュータに関するさまざまなプロジェクトに関係してまいりましたが、今後も世界のスーパーコンピュータの発展に貢献していきたいと思っております。」
注釈
注1 IEEE Computer Society:
IEEE内の技術組織の一つ。主に計算機科学分野に関する活動を行う。
注2 ベクトル化コンパイラ:
ベクトル型スーパーコンピュータ向けに最適化されたプログラムを作成するための開発用ソフトウェア。