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2009年9月 2日 (水)

【インタビュー】X線技術を応用しRoHS指令の規制物質分析計を販売

ポニー工業株式会社

 ものの強度などをものを解体や破壊せずに検査する事業を行っている非破壊検査(株)の放射線防護部門が独立して設立されたポニー工業(株)。設立から40年が経過したが、現在電子部品や半導体分野では、実装の検査機器で販売実績を積み、最近では鉛などのRoHS指令による規制物質の分析計の販売も手掛けている。設立からこれまでの経緯と今後の展開について電子機器事業部の山口政靖課長に話を聞いた。

★ご好評をいただいた記事を再掲載いたしました★

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電子機器事業部 課長
山口 政靖 氏

■公共施設の非破壊検査で事業開始

 当社は1965年に、石油化学プラントや原子力発電所などのプラントを解体せずに内部検査を行う非破壊検査(株)から独立して設立されました。非破壊検査(株)が検査に掛かる人材を提供する事業なのに対し、当社は検査に必要な機器を提供しています。公共関係を中心に事業展開し、現在は橋梁建設メーカーや検査会社を対象に事業を行っています。私の在籍している電子機器事業部は電子部品や半導体分野を対象に実装検査装置の販売を行っており、そのほかの事業部は大きな橋梁建設メーカーなどを対象に営業展開を図っています。

■X線透過画像拡大装置で需要を増やす

 当社が電子部品や半導体の分野に進出したのは、とくに半導体が小さく、薄く複雑な構造となっていった1985年前後です。進出前にNASA(米航空宇宙局)で開発された画像を拡大できるマイクロフォーカスX線透過検査装置をオリジナルブランドで販売していたのですが、当時の顧客は大規模な施設を保有しているばかりで非破壊検査時に画像を拡大する需要はなかったため、自動車業界や食品業界などを新たな顧客を探している中、半導体業界が顧客となる可能性が出てきました。複雑化する半導体の検査に使用していたX線透過画像ではパッケージ内のチップの影とワイヤの判別がつかなくなっていましたので、拡大画像で確認できるX線透過画像の必要性が出てきたのです。
 1985年に1号機を納入し、その後、電子部品や半導体業界の品質管理、品質保証部門へ実績を伸ばしていきました。やがて、BGA・CSPなどのはんだ接合部が表からは観察できない実装が始まり、X線透過検査装置の需要が実装業界に高まり、現在に至っています。
 最近、リチウム電池の事故が話題になっていますが、ニッカド電池からリチウム電池に切り替わっていった当時から不具合の懸念があったため、リチウム電池の全数検査に採用され、電子部品の検査ラインでX線分析が採用されるようになりました。

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マイクロフォーカス X線透過検査装置


■鉛、カドミウムなどの識別装置を発売

 現在はRoHS&WEEE規制の対象物質となる鉛(Pb)、水銀、カドミウム(Cd)、六価クロム、ポリ臭化ビフェニル、ポリ臭化ジフェニルエーテルをスクリーニングするポータブル蛍光X線分析計『a-6500』の販売に力を入れています。RoHS指令は2006年7月から施行されていますが、中国版RoHS指令の発令準備が進められているほか、すでに韓国やオーストラリアでも有害物質への規制は始まっており、環境保全に配慮した製品作りに向けて需要が期待できる製品です。米イノベックスシステムズ社からa6500のライセンスを取得したもので、当社の技術者が同社でメンテナンスに関するトレーニングを受けているので、アフターサービスも万全です。手で持って分析作業を行う機動力のあるタイプで凹凸があるものでも照射できれば分析可能です。物質は通常、原子核の周りに電子が並んでいる状態ですが、X線を照射すると電子が外へ飛び出し、なくなった電子を外から補充します。その際に発生するエネルギーを蛍光X線と呼びますが、この蛍光X線は元素ごとに固有なもので蛍光X線の種類を判別することで含有物質の種類と量を分析できます。分析作業時に導き出される値は常にばらつきがあるため、分析に必要な値は標準偏差ではじき出されますが、分析に時間をかければかけるだけばらつきが安定し正確な値が導き出されます。しかし、a6500は普及している卓上タイプの分析装置で分析時間約2分で算出された値と同等な値をデモンストレーションでは約1分で算出しています。
 RoHS指令の特定有害物質の検査方法は簡易分析と精密分析の二通りあり、いずれもIEC(国際電気標準会議)が推奨している検査方法です。蛍光X線による分析は簡易分析に含まれますが、日本で販売されている蛍光X線分析計のほとんどが卓上タイプで分析対象物の容積が限られており、PCのマザーボードなどの大きいサイズのものは載せられないため分析できない場合があります。また、装置に載せることができた場合でも、対象物を動かせる余裕がない場合、基板の分析が可能な部分と不可能な部分ができてくるなど、分析対象物を選んだり、破壊しての分析が必要になります。その点で当社のポータブル蛍光X線分析計は対象物の大きさ、形状を選びません。また、操作もスタートボタンをクリックして設定した時間さえ待てば分析結果が表示されますので、まさに現場での使用に即した装置といえます。

■BGA総合評価の自動化と蛍光X線分析計の普及を目指す

 今後の展望としては、技術的な面からいえば、マイクロフォーカスX線透過検査装置を使った製品評価の自動化です。現行ではオペレータによって判断基準が違ったり、見落としもありますから、自動化によって品質を一定に保つことが狙いです。ただ、自動化への課題は、基板の表裏にBGAが重なっている場合にX線を照射すると、あたかも表と裏のはんだ付けの部分がくっついているように見えてしまいますが、そのような場合でも機械が確実に判断できるようにすることです。システムの構築までは長い道のりとなりますが、自動化は人件費を抑えることにもつながりますので、需要は出てくると思います。
 営業展開としては、ポータブル蛍光X線分析計を実装を行うメーカーへ普及させたいと考えています。実装を行っているメーカーは、購入している基板、電子部品、半導体については各企業から製品に含有する物質のデータを入手していますが、その信憑性は判断できないのが現状です。特にISOの認証取得をしている環境保全に配慮している企業は独自に分析を実施していることもあり、現段階で実施していない企業は今後独自検査を実施してくることが考えられます。
 次の展開としては自動車業界へアピールしていこうと考えています。自動車部品は電子部品が多いので現在でも間接的に当社の技術は関わっていると思いますが、自動車部品や関連装置は安全性や信頼性が要求されます。今後自動車関連事業に係わっていくためには安全性や信頼性の要求に応えて行かなくてはなりません。

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ポータブル蛍光X線分析計『α-6500』


■グリーン調達法の促進は追い風
 

 販売促進をしていく中で障壁もあります。ポータブル蛍光X線分析計は誤差も含んだ値を計測し数値が基準値内に収まっているかを確認するもので誤差も範疇の内ですが、日本の企業は、数値について正確さを求める傾向にあって、なかなか機能を理解していただけない部分もあります。また、電気メーカーなどは独自で蛍光X線装置を保有している可能性もありますので顧客の獲得はなかなか難しい状況です。
 ただ、地方自治体など公的機関が率先して環境に配慮した製品を購入するといったグリーン調達法が促進されていることはポータブル蛍光X線分析計を販売していく上で追い風の要素となります。グリーン調達対象製品として登録されるために製造メーカーは、各種検査をクリアする必要がありますが、企業は自社の環境への配慮度合いをアピールするためにRoHS指令で示されている基準値よりもさらに低い値をクリアしようと試みているところもあります。そのような目標をもつ企業は下請け企業に対しても環境基準の遵守を求めますから、下請け企業にまでポータブル蛍光X線分析計の需要が波及していくことに期待がもてます。また、逆に下請け企業側から、得意先である企業へ環境に配慮していることをアピールするためにポータブル蛍光X線分析計を購入することも考えられますので、営業ツールとして当社製品を利用していただければと思っています。

実装技術2007年2月号掲載

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