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【インタビュー】必要機能をそろえていながら低コスト、多機能ながらコンパクト スペクトラムアナライザ MSA-4930

株式会社目黒電波測器

 GPS信号発生器、CD/DVDジッターメータ、オーディオ計測を柱としている株式会社目黒電波測器は、その市場の延長として幅広く利用できるスペクトラムアナライザを開発した。多機能ながらコンパクトな『MSA-4930』について取締役 営業部 部長 下迫 隆徳 氏に話を伺う。

★ご好評をいただいた記事を再掲載いたしました★

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取締役 営業部 部長
下迫 隆徳

■GPS信号発生器、CD/DVD・BDジッターメータ、オーディオ計測の3本柱

 目黒電波測器は歴史的には60年近くなるが一度業務の停止があり、新たに会社を設立したのが1992年のことである。アナログ高周波の技術を得意としてきており、オーディオからテレビ、VTR、CDコンパクトディスク、携帯電話、カーナビゲーション市場などの計測器を開発してきた。
 現在、市場の一つがカーナビゲーションで、GPSチューナのモジュールにおける受信感度の測定用に用いられているGPS信号発生器をもっており、国内開発メーカーとしては同社だけである。GPSの位置測定において、Vics機能という道路交通情報をナビゲーションシステムとして取り入れ、道路の混んでいるところを表示する機能がある。これはFM多重を使っており、DARCのエンコーダ、デコーダを用いることでカーナビゲーションの機能確認が出来る。画面上に道路が混んでいるところが赤く表示される。また、道路の案内表示がカーナビに表れるが、道路上の標識が個々にもっているデータ信号と同等の信号を発生できるビーコン信号発生器も同社は開発した。
 携帯電話分野では、総務省が今年の4月から、緊急通報の中に位置情報を入れるために、GPS機能を搭載するように推奨している。そのGPS機能の試験・検査用の信号発生器を提供している。カーナビ用に比べ、携帯電話の場合は細かく表示する必要があり、分解能が高く高機能のものになっている。
 二つめの市場は、CD、DVDや次世代記録ディスクの分野である。ピックアップの性能を測るためのジッター値を測定するジッターメータをもっている。次世代ディスクには、ブルーレイディスク、HD-DVDがあるが、同社はブルーレイディスク用のジッターメータの供給を始めている。
 三つめは、カーオーディオ、ホームオーディオなど、オーディオ関係の計測器である。マーケット的には成熟しているが、同社の従来からの計測器で、ユーザーの要求に合わせて供給している。

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スペクトラムアナライザ MSA-4930

■3本柱の延長上のスペクトラムアナライザ

 スペクトラムアナライザは、空中を飛んでいる電波の周波数がいくつで、レベルがどのくらいかを調べるものである。電波の中には、純信号的なものと、ノイズ的なものがあるが、その電波を解析するためにも使われる。また、ブルートゥースや、LAN、ETCを含めたITSなどの信号、ノイズの解析に使われる。
 高周波に強い同社は、以前にもスペクトラムアナライザをもっていたが、低い周波数の専用機に近いもので、マーケットが限定されたものだった。これからの市場は、通信関連市場の拡大が見込まれ、同社は通信関連市場に合わせたスペクトラムアナライザを、先の3本柱の製品やマーケットの延長の中で、次の商品ジャンルとして構築を目指す。
 そのための製品が、今年9月に発売されたスペクトラムアナライザ『MSA-4930』だ。

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ACPR測定:メインの無線通信チャンネルがひずみとして隣接チャンネルに与える影響の量を測定。

■『MSA-4930』の特徴

 MSA-4930は、9kHzから3GHzの周波数レンジをカバーしており、設計から生産、サービスにおいて幅広く利用できるスペクトラムアナライザだ。
 主な特徴として、USB、RS-232C、GPIBといった豊富なインターフェースをもっており、特に屋外などでメモリをしたものをUSBを使って簡単にPCへ波形の取り込みができる。
 周波数や振幅が不明な信号を見たい場合に、オートセット機能を使い信号をサーチすることができる。オートセット機能は、電波の強さを入力できるレベルに落したり、低いものを上げたりすることができる。周波数や振幅を自動的にアッテネータレンジで調整し選択して、ディスプレイに波形を表示する。すなわち、分からない電波も取り込むことができるわけだ。たとえば、954kHzのラジオを聞いていてノイズが入れば、その近辺にあり邪魔をしている電波を探すことができる。その取り入れた電波がどういうものなのかを測定する場合は、自動測定機能で測定する。
 また、ディスプレイを2分割し、信号を同時に二つのトレースを違ったスケールで表示することができる。ある部分だけを拡大して見ることもでき、分割ディスプレイ中でも、リアルタイムの波形観測ができる。
 3トレース機能は、三つの信号を同時にディスプレイ上にトレースすることができる機能で、波形のフリーズ/ピークの蓄積/波型の平均化を表示することが可能である。
 電源は、AC、バッテリー、車載使用の3タイプに対応しており、オプションの専用バッテリーを使用すれば3時間のフィールド測定ができる。
 下迫氏は「MSA-4930は、スペクトラムアナライザに必要な基本的機能はもっており、そのほかにも多くの特徴がありますが、それらを含め他社がもっている同じような機能のスペクトラムアナライザに比べ、価格は2割ぐらい安く供給しています。広く、一般的に使いやすい商品にしていこうというのも、この製品のフィーチャーになっています。」と語る。設備の大きいラインで多数使われるときは、コストダウンにつながってくる。
 スペクトラムアナライザにおいては後発である同社が、製品の上で差別化を図っているのが、必要機能をそろえていながら低コスト、多機能でありながらフィールド測定もできるコンパクトさである。
 「同機は当社がもっていた過去の技術を活かして汎用機として開発したものですが、市場によっては、専用機も必要になってきます。市場要求としては二つあり、一つは、屋外で使うハンドヘルドのもので、汎用機の中から発展的に専用機化されるものです。もう一つは、同機は3GHzまでの周波数帯域しかありませんが、今後はもっと高い周波数帯域を扱うマーケットが広がってくると思います。それに対応するため、将来的には、高周波帯域の商品も開発していきたい」と下迫氏は話す。
 オーディオ関連市場は中国に移っており、同社のオーディオ測定器も中国販売を強化している。先ほども述べたように、オーディオ市場をターゲットにしている同社は、同製品拡販についても中国を始めとした海外にネットワークを構築し販売拡大を図ろうとしている。
 同社が得意としているアナログ変調技術と、今後開発を急ぐデジタル変調技術を合せる事で無線通信関連計測器、電波解析計測器などにもトライしていきたいという同社に期待したい。

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N-dB測定:特定の振幅をカバーするチャンネル周波数帯域幅を測定。

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OCBW測定:指定した量の電力を消費する(占有する)チャンネル帯域幅を測定。

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ジッタ測定:中心周波数の遅延、圧縮につながる位相変動の量を測定。

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2分割ディスプレイ
2分割ディスプレイ機能は、同時に2つのトレースを違ったスケールで表示することができる。分割ディスプレイ中でも、リアルタイムの波形観測ができ、ハーモニックスを測定する時に便利。

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3トレース機能
波形の変動範囲を示すことができる。A,B,Cの3種類のトレースを利用して、波形のフリーズ/ピークの蓄積/波形の平均化を表示することが可能。
トレースA,Bを使用してトレース演算操作が利用できる。波形取り込みモードは、アナログ信号入力をデジタル化する処理内容を設定。

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エレクトロニクス電子計測技術2007年12月号

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