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2009年6月15日 (月)

【インタビュー】Auto-IDで「みえる」製造現場作りを推進

— RFID、バーコード、2次元コードが融合したシステムを —
オムロン株式会社

Auto-ID事業を我が国で最初に手掛けてから20年以上、Auto-IDのリーディングカンパニーとして業界を牽引するとともに、グローバルな活動を展開しているオムロン株式会社インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー 営業統轄事業部 情報機器営業部 主幹 大塚 裕氏にRFIDを中心にAuto-IDの技術、歴史について話を聞く。

★ご好評をいただいた記事を再掲載いたしました★

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オムロン株式会社
インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー
営業統轄事業部 情報機器営業部 主幹
大塚 裕 氏

■四つの『みえる化』を実現するために

  昨今、流通やFAの生産ラインにおいてRFIDが話題になっているが、オムロンインダストリアルオートメーションビジネスカンパニーの大塚裕氏は、「RFIDは生産の確実化、効率化、品質の安定化などを実現するためのツールです」と言い切る。様々な現場の各シーンによっては、RFIDだけではなく、バーコードや、ものにダイレクトにマーキングされた2次元コードなどが使用さる。そして、FA分野におけるムダの無い確実な製造現場づくりには、適材適所を踏まえたそれらの融合が考えられ、幅広い意味で捉えたシステムの一つとしてRFID が存在するといえる。たとえば、現在、流通系ではバーコードを採用しているが、数年後にはRFIDと融合していき、一個一個のものや製品にRFタグを付けていこうという流れになっている。しかし、その際に現在のバーコードに使われているコード体系とまったくデータ構造が違うRFタグを付けてしまえば、既存のインフラが活用できなくなってしまう。しかし、RFタグの中に最低限、これまでのバーコードと同じ情報が格納されていれば、システムとしては同じ情報が返ってくる形になる。万一、RFタグが故障してアクセスできなくなった場合にも、バーコードの情報でリカバリーが可能となる。また、非常に安価な製品、超小型の製品、あるいは使用環境が非常に厳しい中で使われる製品の場合には、RFタグが付けられずにバーコードだけが付くことも考えられ、その場合には、バーコード情報を元にした運用になる。「つまり、バーコードなどのコードとRFIDとが適材適所で上手に融合した使い方になると考えるのが現実的だと思われます。当社ではRFIDだけではなく、バーコードや2次元コードも手掛けています。だからこそ、それらを適切に組み合わせ、上手に融合させたシステム運用の考え方をお客様に提供できるのです。」と大塚氏は話す。
 同社は、製造の品質を上げる、生産効率を上げるなどの目的のために『Auto-ID』を提案する。FA業界においてNo.1のシェアをもつRFIDをはじめ、2次元コードリーダやバーコードリーダ、およびレーザマーカを効果的に組み合わせることにより、効率的で無駄の無い製造現場をつくり、現場の課題解決を推進するシステム実現のための提案のことである。そして、その実現のためには、現場の『みえる化』が必須である。『みえる化』は、現場が『見える』、どういう状況か『観える』、検査の状況など品質管理が『診える』の三つのことに使われることが多い。しかし、同社ではメンテナンスにもAuto-IDが使われていることから、メンテナンスが『看える』を加え、四つの観点から『みえる化』を唱えている。たとえば、工作機械のマシニングセンターにおいて、工具を使い過ぎると加工性能・加工精度が落ち、良い製品ができなくなるので、工具一個一個にタグをつけて時間管理によるメンテナンスをしっかりしていく、というようなアプリケーションの実現が『看える化』の一つである。
 Auto-ID機器を活用してこの四つの表現の『みえる化』を実現するための必要条件としては、まず、FA現場の各ラインにおいては決してラインをストップさせないことが挙げられる。そのためには、Auto-ID機器に対する高い信頼性が求められる。次に、Auto-ID機器を使ってどういうことができるかという、ユーザーに対するノウハウの提供が必要になる。そして、Auto-IDの世界標準化活動に参画し、ユーザーのグローバル展開をサポートするためにユーザーの観点に立った標準化を推進することが必要になる。「これらをしっかりと実現できることが、当社の強みです」と、大塚氏は言う。

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2次元コードリーダ V400シリーズ

■Dシステムとは

 人間を介さず、ハードウエア、ソフトウエアを含む機器によって、情報媒体であるバーコード、2次元コード、RFID、アイリス、指紋、声紋などの情報を自動的に取り込み、内容を認識することを自動認識(AIDC:AutomaticIdentification & Data Capture)と呼ぶ。 RFID(Radio Frequency IDentification System)とは、電波や電磁波を用いて情報のやり取りをするIDシステムのことである。その特徴は、まず、非接触で情報を読み書きすることができることであり、特に“その場でタイムリーに情報が書ける”ということが大きな特徴になる。バーコードや2次元コードは、一般的にプリンタ、ラベラ、あるいはマーカなどを使って情報を書き、現場ではそれを読むだけだが、RFIDはその場で情報を読んで、かつ書くことができる。二つ目の特徴は、その情報の信頼性が高いことで、16ビットのCRCなどの高度な空間伝送技術と専用プロトコルを採用することにより、高信頼性交信を実現している。三つ目の特徴は、各工程・現場においてRFタグに情報を書くことにより、『ものと情報との一元化』が図れるために、ミスの無い生産・工程管理、品質管理が可能となることである。四つ目の特徴としては、電磁波を使うことにより、悪環境のFA現場に多い水分、油、あるいは汚れなどによる読み書き不良がないことである。また、バーコードなどと違って、RFタグが付いた製品がダンボールの箱中に梱包されていても、その外から情報を読むことができたり、複数個の情報を一括読み取りできるのもRFIDの大きな特徴だといえる。

■RFタグの種類と特徴

  RFIDシステムにおけるRFタグには形や厚みなどに様々なものがあるが、それは、アプリケーションにより求められる形状が異なるからである。作業指示書、部品指示書などに埋め込まれるものは、ラベル状の薄いものが要求されるが、自動車生産におけるパレットやワークなどに取り付けられる場合には、ラベル形状ではその厳しい環境に耐えられないために堅牢なものが使われる。また、液晶のカセットなどに付けられる場合は、高温やアルコールなどの薬品で洗浄されることが多いので、RFタグには耐熱性や耐薬品性が求められる。
 また、RFタグに搭載するメモリの種類によっても分類される。一つは、リードオンリーと呼ばれるタグで、RFタグメーカーでデータを書き込み、ユーザーはそのデータを読み取るだけで書き込みができない機能のものである。セキュリティ関連のアプリケーションでは改ざんできないという点でメリットがある。また、コストが安いことから米国などでは以前から使われていることが多いが、どちらかと言えば日本ではまだ少ない。二つ目のワンタイムライトと呼ばれるものは、ユーザーで1回だけデータの書き込みができるRFタグであるが、機種としてはあまり世の中には多くはない。
 三つ目のリードライトは、ユーザーで自由に書き換えできるタイプでRFIDのメリットを最も表しており、同社を始め日本で多く使われているのはこのタイプである。ただし、リードライトタイプのRFタグの多くは書き換える回数の制限があり、一般的にアドレス毎に10万回〜数10万回である。このようなRFタグを製造ラインの工程数が非常に多く、かつパレット数が少ないアプリケーションで使用する場合、たとえば、工程数が20個所、パレット数が40個、生産台数が一日10,000個といった場合には、RFタグへの書き込み回数は、20×10,000/40=5,000回となる。つまり、10万回の書き換え回数だと、RFタグの寿命は、100,000/5,000=20日しかもたないことになる。「このようなアプリケーションに対応するために、当社のV600シリーズのEEP-ROMタイプでは、独自に最大70万回の書き換え回数を保証しています。しかし、それでもまだお客様にとっては不十分なアプリケーションもあるので、私たちがもう一つ提供しているのはFe-RAMというタイプのメモリを搭載したRFタグで、これは読み書き回数の寿命が100億回というもので、たとえば1秒間に1回アクセスしても計算上は300年以上の寿命になるというものです。お客様が必要なものは何かを常に考えながら品揃えをしてきました」と、大塚氏は言う。
 また、電力供給の方式によるRFタグの分類には、パッシブタグ、セミパッシブタグ、アクティブタグの3種類がある。
 パッシブタグは、アンテナからの供給電力のみで動作するもので、交信距離は数mmから数mで、メンテナンスフリーを特徴に最近の世の中の主流となっている。また、RFタグの価格も比較的に安価で、形状も小さくて薄いという特徴がある。
 セミパッシブタグは、同じくアンテナからの供給電力で動作するが、離れてしまうとRFタグがアンテナにデータを返す力が不足するので、内蔵電池のエネルギーで信号を返すといったもので、交信距離は数cmから数mとなっている。
 アクティブタグは、内蔵電池のエネルギーで自らデータを発信するタイプで交信距離は数mから数10mである。部品、資材、あるいは完成品が倉庫などのような広範囲の中にあるとき、基点基点にアンテナを置き、対象物がどこにあるかを探すときなどに利用される。「当社ではアクティブタイプは作っておりませんが、お客様からアクティブタイプでしか対応できないようなアプリケーションでの要望があれば、アクティブタグを有するパートナーと連携して、お客様の課題が解決できるような提案活動に取り組んでいます。」と大塚氏は言う。

■オムロンにおけるRFIDの歴史

 日本におけるRFIDのルーツは、オムロンによって1986年頃に工作機械のマシニングセンタにおける工具一個一個の管理用に作られたものが始まりだと言われている。このRFタグは、メモリ容量が数10バイトの電池レスタイプで、当時は工具管理に使われていたということから、業界では『ツール ID』と呼ばれていた。「当社は近接センサを以前から開発しており、その技術が工具を管理するRFIDの技術に近いだろうということで工作機械メーカーから当社に話がきたのが始まりです。当時は1チップのRFタグ用ICも存在していなかったので、汎用のICやメモリなどを組み合わせて、小指大くらいのRF タグを作って提供しました」と大塚氏は語る。
 その後、自動車のエンジン加工工程や検査工程における自動化や生産履歴情報管理のために、メモリ容量が2KバイトのRFタグが誕生した。エンジンの加工工程・検査工程において、エンジンをRFタグが付けられたパレットに搭載してコンベア搬送するので、当時は『パレットID』と呼ばれた。
 同社が1987年頃に販売をスタートした電磁結合方式の『V600シリーズ』がまさにそれである。当時の機種は交信距離が3〜5cmと短かった。そのため、RFIDを使用するアプリケーションは位置決めがしっかりできるところに限られた。自動車のエンジン生産にはロボットコンベアが使われているので位置決めがしっかりでき、加工には油が使われて汚れてもいても確実に情報が読め、しかもその場で生産履歴や検査結果などの必要な情報を書くことができる RFIDは、その後、多くの自動車メーカーで使われるようになっていった。「工作機械に続き、自動車のエンジン系、トランスミッション系のアプリケーションが当社における本格的なRFID事業のスタートになります」と大塚氏は当時を振り返る。

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V600シリーズ

  RFIDがFAの分野で徐々に認知されるようになり、家電業界などでもニーズが出てきた。また、自動車生産においても車体の組立・検査などにもニーズが広がり、交信距離が数cm程度の電磁結合方式では対応できなくなっていった。そのため、同社では1988年以降に2m以上の距離でも交信ができる2.45GHzのマイクロ波を使ったRFID や20cmレベルの交信が可能な光方式を開発した。これらの新しいRFIDにより、自動車業界の車体の組立・検査工程、家電業界における加工・組立工程など新しいアプリケーションでのRFID採用が加速した。
  1992年には国内で本格的な液晶製造が始まり、ある工場がRFIDシステムを導入したため、その後の液晶メーカーの多くは順次RFIDシステムを導入し、国内外の80%以上の工場で使われるようになった。液晶製造では、パネルを作る前工程のカセットにRFタグが付けられ、生産工程・品質管理用途に RFIDが使われる。
 また、同社はさらにRFIDを普及させるために、製造工程における機種判別や工程管理をするために使われていたメカフラグの代わりに低価格で使い易い電子式の『インテリジェントフラグ』を開発した。
 インテリジェントフラグはメカフラグの穴やピンのオン・オフ情報をRFタグの『0』、『1』のデータに変えたものであり、空間伝送のためにメカ的な寿命やトラブルの心配は無く、交信距離も最大65mm、交信エリアもセンサよりも広いためにシビアな位置決めの必要は無い。また、RFタグの8ビット〜16ビットの情報を使うため、256種類〜最大64,000種類の機種判別ができる。さらに、メカフラグとコストを比べても、フラグ製作費用とRFタグの価格はほぼ同じで、特にオン・オフするタイプのメカフラグと比較してRFIDのアンテナ・アンプ部の価格は5分の1以下と装置部分は大幅に安くなっている。RFIDというと『上位の通信プログラムを作る必要があり、データを扱う難しいもの』という先入観が強かったが、インテリジェントフラグの場合には、アンプ上のスイッチのオン・オフで設定を行い、RFタグの情報もI/Oでオン・オフ信号のみで出力するため、現場のライン設計者の方もセンサ感覚ですぐに使うことができる。このような背景から、インテリジェントフラグはFA分野に幅広く普及し、さらにデバイスネットタイプへと進化していくこととなる。
 「『RFIDというのは何だか難しそうなものだ。だから、使うには抵抗がある』というお客様の概念を変えたかった。そのためにセンサ感覚で取り扱える電子式フラグのインテリジェントフラグをコンセプトし、市場に送り出しました」と大塚氏は語ってくれた。
 周波数125〜135kHz帯の電磁誘導方式のRFIDは、数10cm〜1mレベルの交信ができるもので、1990年代初めに海外から多くの機種が国内に入ってきた。しかし、FA環境においては、スイッチング電源やインバータなどのノイズ源が多く、これらのノイズは100kHz帯の周波数が多いため、そのノイズの周波数帯に近いこのタイプのRFIDでは、現場で交信距離が大幅に低下したり、場合によっては全く交信ができなくなることがある。つまり、このタイプの電磁誘導方式RFIDはノイズ環境の良いところで使うことが前提になるのである。
 同社では、125KHz帯の電磁誘導方式『V700シリーズ』を2000年に出しているが、この製品にはノイズチェック機能を付加している。これは、アンテナ受信信号のS/N比をモニタすることで、アンテナ周辺のノイズ環境を00〜99の数値で表し、それを見ながらアンテナの設置場所を選定することができるというものである。S/N比を見るとは、アンテナに返ってくる信号を自分のタグから返ってくる正規の信号かノイズかを見極めて、その結果を判り易い数値に変換するものだ。ノイズがまったくないときは数値が00で表され、ノイズだらけだと99で表される。つまり、ノイズを現場で『見える化』したのである。このことにより、FA分野においてもきちんとした設置場所を選定すれば、問題なく使用できるようになった。
 2000年を過ぎると、半導体業界では300mmウエハ(IC)が作られ始めたが、その製造に関してSEMI規格において初めてRFIDシステムの採用が標準化された。国内外の300mmIC工場でもRFIDの本格導入が始まり、現在では7割ほどがRFIDを使用していると思われる。「半導体業界においてはそれまでバーコードを使うことがほとんどで、RFIDメーカーとしての当社は新参者でしたが、私は敢えて300mmウェハキャリア関連の標準化委員会に参加するようにしました。その時には、当社の既存の商品を標準化にするという自己中心的な考え方ではなく、エンドユーザーや装置メーカー様にとって最適なものとなるように、一から商品開発が必要になることを覚悟で取り組みました。結果的には、新規にキャリアIDリーダ/ライタと呼ばれる RFID機器『V640シリーズ』を開発し、現在、半導体メーカー様や装置メーカー様には信頼性、品質、デリバリ、およびサポート面で総合的に高い評価をいただいています」と大塚氏は話す。半導体業界では、ウエハを運ぶシッピングボックスにもRFIDを使うことになっており、今後は450mmウエハも作られてくることから、RFIDの用途はさらに広がっていくことが見込まれる。
 最近では、環境を意識した商品の一つとしてボルトタグシリーズがある。金属製のパレットにRFタグを埋め込み接着して取り付ける場合、生産機種が変わるとパレットが用済みになり、同時にそこに付いているRFタグも捨てられてしまうことになる。それは環境にも良くないし、ユーザーにとっても無駄な投資になる。ボルトタグはボルトの中にRFタグが埋め込まれており、パレットにねじ穴を開けてもらい加工工程に投入する前にボルトタグをパレットに取り付け、加工指示情報などを書き込む。工程が完了すれば、ボルトタグを外し、新しいパレットに取り付ける。着脱可能なため使い回しが容易で、最低限必要な投資で自動化ラインが実現できるのである。
 ところで、我が国において増加しているセル生産に対応するため、同社は従来から管理に使われていた作業指示書や部品指示書などにラベル型のRF タグを内蔵させ、読み書きする機器側はMMI(マン・マシン・インターフェース)を充実させた『カンバンリーダ(ミルカード)』という商品も2003年頃から提供している。指示書という人が見るツールに付加して、情報を記録できる能力をもたせることにより、各工程の所要時間・全体のリードタイムも自動的に実績として収集できるようになり、かつ工程進捗管理もより充実できることになった。
 1998年頃にはICテレホンカードなどの非接触カードが出始め、電子乗車券にもRFIDが活用されるようになった。そして、国内における電波法が改正されて交信距離の長い13.56MHzのRFIDが使えるようになり、同時にISO/IECのRFタグの標準化においても13.56MHzの周波数帯であるISO/IEC18000-3(ISO/IEC15693)が規定され、RFIDの第2次ブームが訪れた。
 同社では、ISO/IEC18000-3に準拠した13.56MHz帯のグローバルに使える『V680シリーズ』を提供している。データをどのようにやり取りをするかのプロトコルは、ISO/IECで標準化されており、たとえば、同社のリーダ/ライタと他メーカーのRFタグとでもやり取りができるのも標準化のメリットだといえる。同社は、2007年に一気にシリーズ20機種の商品を揃え、ユーザーのグローバル化に貢献している。
 大塚氏は「RFIDを使用する際の距離設定、移動しながらアクセスする際の移動速度への余裕度、およびノイズ環境が非常に厳しい環境での交信成功率などをみえるようにしています。さらには、上位機器と繋いだ際に上位プログラムがおかしいのか、配線に問題があるのかなどのやり取りがみえるようにしています。グローバルに使える商品の品揃えと『みえる化』にこだわって開発したのが『V680シリーズ』です」と語る。

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V680シリーズ

■今後の展開

  最近は、RFIDを使いたいというユーザーが増えてきているのは確かだが、「RFIDを使うことを決して目的にしてはいけません。RFタグを使いたいと言われるお客様に対しては、たとえば、現在バーコードを使っている運用でどのような課題があり、その課題は自社にとってどのくらいのロスコストを発生させているのかを定量的に聴くようにしています。現状のシステムでは具体的にこのような課題があり、そのために年間×××万円のロスが起きています、と明解な答が返ってくるお客様はたくさんおられます。だから、20年以上も前からRFIDを採用されているのです。しかし、そこで明確な数値を出せないお客様は、厳しい言い方をするとRFIDを使ってみたいという願望だけであり、本当に困っていることを何とかしたいという真剣さが不足しているとも考えられます。私たちメーカーも真剣にお客様の課題解決に対応するために活動しています。我々がお客様に提供するのは商品というものではなく、お客様の課題を解決することや利益を拡大するための考え方です。商品はその解決手段として使われるだけなのです。だからこそ、お客様とは本音で議論し、結果的に『RFIDを使って本当に良かった』という喜びの言葉が聞ける事が私の幸せです。」と大塚氏はRFIDに対する想いを述べてくれた。

 また、「現在、RFIDが導入されているところは、ある程度の規模のお客様に限られている傾向があります。そのため、RFIDの本質やメリットをもっと一般企業の方にも分かって頂きたいと思っており、日々の営業活動に加えて、雑誌記事やセミナーなどを通じてもRFIDを始めとするAuto-ID についてその良さをきちんと訴求し続けています。また、さらに小型のRFタグが欲しい、RFタグを個々の部品や製品に埋め込んで管理したいといった市場ニーズなどに対してもお応えできる商品化を目指していきたいと考えています。また、お客様の工場のシステムや各種ネットワークに合わせた使い易い商品や UHF帯やアクティブなどの別方式のRFIDも検討していかなければ、今後はお客様の満足を得られないと思います。Auto-IDに関しては、お客様が『まずはオムロンに相談しよう』というNo.1の世界を創造していきたい。そのためにも常にお客様に価値を与え続けられるメーカーになるようにさらに努力していきます。」と今後の展開を熱く語ってくれた。

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メカトロニクス2008年8月号掲載

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